監査法人、FASを経て関西ベンチャーへ。会計士CFOが語る想い、そして、中小企業から上場企業へ向けてCFOが果たす役割とは!?

監査法人、FASを経て関西ベンチャーへ。会計士CFOが語る想い、そして、中小企業から上場企業へ向けてCFOが果たす役割とは!?

ベンチャー企業の資金調達やIPOが連日話題となる中、公認会計士がCFO(候補)としてベンチャー企業に転職するケースが増えています。とはいえ、まだまだその絶対数が多いわけではありません。まして関西ではなおさらです。 

そんな中、著名なベンチャーキャピタル等から10億円という大型の資金調達をし、関西のベンチャー企業として存在感を示しているのが株式会社レスタスです。 

株式会社レスタス_ロゴ

レスタスはテクノロジーと独自のマーケティング理論でカスタムオーダーメイド商品のプラットフォームである『レスタス』を運営している会社です。 

そのレスタスに監査法人→FAS→ベンチャー企業2社という経歴をもってジョインし、取締役CFOに就任したのが、今回紹介する公認会計士の広瀬隆章さんです。 

なぜ広瀬さんはベンチャー企業に興味をもったのか、CFOとしてレスタスに参画したのか。そしてベンチャー企業を選ぶときのポイントはなんだったのか。広瀬さんに聞きました。

株式会社レスタス_取締役CFO/公認会計士_広瀬 隆章氏株式会社レスタス
取締役CFO/公認会計士
広瀬 隆章|Hirose Takayuki
1984年/兵庫県出身。神戸大学経営学部卒。2008年、公認会計士試験合格。監査法人トーマツ(現・有限責任監査法人トーマツ)へ入社し、法定監査業務やIPO支援業務等を経験後、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社に参画し、M&Aの財務DDValuation業務、事業再編支援業務、経営戦略策定業務等に従事。
その後、ベンチャー企業の経営企画マネージャー、取締役CFOとして、コーポレート部門の立ち上げ・管掌、全社戦略及び予算策定、エクイティ及びデットファイナンス、IPO準備に加え、事業企画、営業マネージャー、SFAシステム導入等幅広い業務を経験。2020年、株式会社レスタス入社、2021年より取締役就任。 

監査法人6年、FAS 3年。ちょうどよかった在籍期間

── 広瀬さんがレスタスの取締役CFOになるまでの経歴を教えて下さい。 

僕は神戸大学を卒業した後、トーマツ大阪事務所に入社し、国内監査部門に配属されました。6年間監査業務に従事した後、トーマツのFASに移籍。その後ベンチャー企業2社を経て、現在レスタスの取締役CFOを務めています。

── 監査→FAS→ベンチャー企業というご経歴ですが、どうしてベンチャー企業に興味を持ったのでしょうか。 

トーマツにはデロイト トーマツ ベンチャーサポート株式会社という、ベンチャー企業支援をしている会社があるのですが、監査法人時代に関西支部の手伝いを少しだけしていたんです。
そこでスタートアップの社長達とコミュニケーションを取り始めたのですが、当時は今ほど業界が盛り上がっているわけではないこともあって、全然情報がない時代。だからベンチャーファイナンスなんて当然わからないし、「クラウドファンディング」とか、彼らが話す言葉も全然わからない。 

それで「このまま監査をしていたら経営から取り残されるな」と感じたんです。こんなことをきっかけに漠然とベンチャー企業で働きたいなと思い始めたのですが、まずはファイナンスに触れるためFASに移籍しました。 

FASにいると、財務デューデリジェンスやバリュエーション関連の業務だけをしている方も多いですよね。ただ僕は「いずれベンチャー企業に行きたい」という思いがあったので、なるべく経営サイドに触れられる仕事を志願して、赤字の工場を黒字にするための計画をプレゼンしたりしていました。結果的にFASに在籍していたのは、3年程です。 

株式会社レスタス_取締役CFO/公認会計士_広瀬 隆章氏

── 後から考えて、監査法人やFASにいた期間は長かった・短かったとは感じますか?

結果的にちょうどよかったですね。
まず監査には約6年携わっています。監査法人は3年程で辞める人も少なくありませんが、それだと会計知識もまだあやふやなところもあるだろうし、もう少し働いて現場を回す経験をしてから辞めてもいい気がしています。なので、個人的な考えですが、5年くらいはいてもいいんじゃないでしょうか。 

他方で、FASには3年いましたが、仕事が楽しかったこともあって、本当はもう12年いたかったんです。ただ35歳くらいまでにベンチャー企業に行きたかったし、何よりFASが長すぎると事業会社(ベンチャー企業)とのカルチャーギャップが自分の中に生まれてしまいそうで、早く辞めたんです。 

今、関西のCFOやベンチャー企業を盛り上げようとする活動もしているのですが、あと2年遅かったらこれもどうなっていたかわからないですし、この面からも、あのタイミングで辞めてよかったと思っています。 

専門職からCFOへ。転職先のベンチャー企業をどう選んだ? 

── その後ベンチャー企業3社で勤めることになります。会社選定のポイントを教えて下さい。 

まず1社目は、IPOを考えていない東京の会社を選んでいます。IPOをする前提の会社だと、私の経歴的に内部統制等を担当させられそうな気がしたのですが、それよりはもっと経営サイドの仕事をしたいと思っていました。
なのでベンチャーキャピタルから資金調達をしておらず、そもそもIPOを考えていない会社で、経営企画の仕事ができる会社を中心に転職先を探していたんです。
初ベンチャーだったので不安もあったのですが、3ヶ月もしたら慣れて楽しくなって「事業会社楽しい」と思っていましたね。 

この会社も楽しかったのですが、家庭の事情もあって東京から関西に戻ることになりました。このときの転職の軸は、今度こそ「IPOCFOとしてゼロから携わる」こと。
大阪・神戸を中心にCFO(候補)としてベンチャー企業を探していたのですが、そもそもベンチャー企業の絶対数が少ないし、その中からIPOできそうな会社を選ぶ、しかも東京関西という遠隔で。ということもあって転職活動は大変でした。1社を挟んで、結果的に今レスタスのCFOとして働いています。 株式会社レスタス_取締役CFO/公認会計士_広瀬 隆章氏

── ベンチャー企業は東京が圧倒的に数が多いのが現状です。今の立場からみて関西のベンチャーCFOはどう見えていますか? 

まず一般論として「起業家が足りない」とよく言われていますが、同じくCFOも足りていないと感じています。
特に関西ではCFOと名乗っていても実質的に管理部長の方も多い。そうではなくCFOには、ファイナンスの面から事業を引っ張っていく、会社の方向性を決めていけるような手腕が必要だと思います。そういった意味では、当然僕もまだまだ発展途上ですが(笑) 

逆を言えば、そういうCFO人材がいないから、燻っている会社も少なくないと思っているんです。なので僕は、そういう会社に行って会社を引っ張っていきたかった。
そう思ってベンチャー企業を探していたところレスタスと邂逅します。CEOの大脇と何回かお酒も交えつつ話を聞いていたら、率直に面白い会社だと感じたんです。
レスタスは中小企業からベンチャー企業に変わろうとしていて、ファイナンス面がしっかりすれば事業をもっと伸ばせると感じました。会社からもオファーを頂いて、ジョインすることにしました。 

株式会社レスタス_取締役CFO/公認会計士_広瀬 隆章氏

中小企業からベンチャー企業、そして上場企業になるためのCFOの仕事 

── レスタスではCFOとしてどんな仕事をしているのでしょうか? 

2021年に株式会社RESEEDという同業他社を買収しているのですが、僕が入社したのはちょうどこのプロジェクトが進行中で、これからデューデリジェンスしていこうという時期でした。そこでまずはこのプロジェクトに関わることになります。買収は無事に終わり、今はPMIに携わっているところです。 

またレスタスは2020年に投資家から資金調達をしているので、投資家とコミュニケーションをとったり、次の資金調達のための動きにも対応しています。

株式会社レスタス_取締役CFO/公認会計士_広瀬 隆章氏

また、レスタスはベンチャー企業としてではなく、名入れを生業とする中小企業として生まれました。それが今ベンチャー企業へと生まれ変わろうとしています。
(この記事の読者であろう)公認会計士や税理士には馴染みが薄いかもしれませんが、ベンチャー企業では『ミッション』『ビジョン』『バリュー』というものが、とてつもなく大事なんです。 

ベンチャーキャピタルから資金調達してIPOを目指すという意味でも、この整理は必須。ベンチャー企業として成長するためにはミッション等をちゃんと整理しなければならない。そう思って新ミッション等作成プロジェクトを始めようと自分で手を挙げて、新ミッション等を策定しました。 

株式会社レスタス_経営理念_ミッション・ビジョン・バリュー


レスタスのミッション・ビジョン(同社WEBサイトより)

ただこれには裏話があります。
自分としては「ベンチャーなんだからミッションは大事でしょ」と当然のようミッション策定に取り掛かろうとしたんですが、レスタスは、今までミッション等をそこまで意識していなかった企業。「なんでそんなことやるの?」「今やる必要あるの?」なんて声も最初はあって、反対されることにビックリしていたんです(笑)。ただだからこそやる意味があったし、やってよかったと思っています。 

またIPOするためには、ミッションだけではなく組織も変わっていかなければなりません。
わかりやすいところだと、今まで月イチの全社会は社長を含む運営サイドからの一方通行の報告の場でした。これを各マネージャーや事業部メンバーから事業進捗の報告をしてもらうようにしたり、活躍した人を表彰するようにしたり、だんだんと情報が双方向になるようなコミュニケーションの場に変えています。
こういうことをコツコツ成し遂げていって少しずつ上場に耐えられる会社にしていきたいですね。 

今レスタスは中期目標に『ファスト・カスタムオーダー・カンパニー』を掲げ、名入れのEC”からカスタムオーダーのプラットフォームへと、進化しようとしている真っ最中です。 

会社でよく、社名・ロゴ入りのカレンダーやノベルティを作りますよね。ベンチャー企業だったらTシャツもよく作りますし、タオルに紙袋、最近だとエコバッグ等、色々なものに名入れがされ、カスタムオーダー品が作られます。これを手にしたときって一体感や仲間意識が醸成されるんですよね。名入れやカスタムオーダーにはそういうパワーがあるんです。 

ただカスタムオーダー品を作るには手間がかかる。でもレスタスのサービスを使ってもらえば、誰でも簡単にカスタムオーダーを作れるようになる。そんな世界を目指して、CFOとしてはもちろん、CFOとしての枠にとわれずに、頑張っていきたいと思います。 

取材・執筆・撮影:pilot boat 納富隼平

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