このコーナーでは、弥生のサービスを活用して、会計事務所経営を効率化した弥生PAP会員様をご紹介していきます。
今回は、弥生の記帳代行支援サービスを活用している、YDK日本橋税理士事務所 様です。
令和2年(2020年)1月に開業されたYDK日本橋税理士事務所 様。
さまざまな経営スタイルの税理士事務所がある中で、代表税理士の山口晴啓(やまぐちはるひろ)先生が32歳という若さで開業し、そこから1年余りで顧問先を順調に増やしながら、ご活躍されています。
そんなYDK日本橋税理士事務所様が、弥生の記帳代行支援サービスを導入された理由とは?
顧客の記帳代行率95%という状況で、クラウドサービスや様々なツールを駆使しながらも感じていた課題について、またそれをどう解決されたのかを伺いました。
本記事の目次
- 今回ご紹介するサービス
- 今回インタビューした会計事務所
- 導入前の課題 –記帳代行支援サービス
- 選んだきっかけ –記帳代行支援サービス
- 導入の手順や手間 –記帳代行支援サービス
- 導入後の成果 –記帳代行支援サービス
- 使ってみた印象と感想 –記帳代行支援サービス
- 記帳代行支援サービスへの要望
- 記帳代行支援サービスを検討している会計事務所へのメッセージ
今回ご紹介するサービス
弥生の記帳代行支援サービス
会計事務所の記帳代行業務を自動化・効率化するサービスで、弥生PAP加入の会計事務所が利用できます。
記帳代行支援サービスでできること
紙証憑のデータもインターネットバンキングのデータも、弥生の記帳代行支援サービスを利用して自動で仕訳に変換することで、会計事務所の記帳代行業務を自動化・効率化します。納品された仕訳は、「弥生会計AE」で、仕訳と元の紙証憑の画像を同時に確認可能です。
記帳代行支援サービスの特徴
- 証憑データのお預かりから1営業日で納品
- 入力・確認・修正にかかる工数を減らし、相談などの付加価値業務の時間を増やせる
- 担当者ごとの品質バラつきやミスも減らせる
記帳代行支援サービスの料金や詳細については、下記をご確認ください。
今回インタビューした会計事務所
YDK日本橋税理士事務所
令和2年(2020年)1月創業、東京都中央区日本橋に事務所を構える。クライアントは、法人70件と個人事業主100件程度。東京都内を中心に、埼玉県・千葉県・神奈川県にも対応。顧客規模は個人事業主から法人は売上高10億円程度まで幅広く、医療関係・不動産関係・IT関連ほか様々な業種に対応している。
「誠意を持ってお客様に寄り添い、お客様やお客様のご家族を大切にし、職員、職員のご家族も大切にできる事務所を目指す」というスタンスで、迅速で円滑なコミュニケーションを重視したサービスを提供する。
代表者:山口晴啓/やまぐちはるひろ(税理士・行政書士)
山形県出身。東洋大学経営学部会計ファイナンス学科卒業後、会計事務所4か所に勤務し、医療関係、IT関係などの税務業務を担当。2014年に税理士試験合格、2016年に税理士登録、2020年に行政書士登録。2020年1月にYDK日本橋税理士事務所、YDK日本橋行政書士事務所を開業。
事務所概要
- 事務所の人員数: 8名(税理士1名、公認会計士1名、FP1名ほか5名)
- WEBサイト:https://ydk-nihonbashi.com/
- 顧問先数:約170件(法人約70件・個人約100件)
- 顧問先の売上高:10億円未満
- 使用会計ソフト:弥生会計が95%
- 顧問先が使用している会計ソフト:ほぼ弥生会計
- 記帳代行支援サービスを使い始めた時期:2020年8月
- サービスの方針:
- 記帳代行率が95%を占める。
- チャットワークを活用し、お客様ごとのチーム制を導入。質問や相談にスピーディーに対応。
- ZOOMや対面での面談は2ヶ月に1回程度。
- 資料の受取はクラウドサービスを活用。
- 事務所経営における方針:
- 事務所を拡大する方針。
- ワークライフバランスを重視。
※事務所概要は記事公開時点での情報です。また、2021年8月30日に行われたインタビューを元に執筆しています。
導入前の課題 –記帳代行支援サービス
―山口先生の事務所では、従来は記帳代行業務をどのように提供していましたか?
弊社は、記帳代行割合が高く、資料の効率的な回収方法を試行錯誤してきました。
現在は、基本的に郵送を使わず、通帳、請求書、領収書など証憑類を、お客様ご自身でスキャンしてクラウドにあげていただき、我々はそれを回収して弥生に取り込むという仕組みを構築しています。
これによって、月次入力のスピードが向上し、お客様への情報提供のスピードも格段にアップしました。お客様にとって大きなメリットになっていると思います。
ただ、通帳やクレジットカード明細のように、画像をそのまま取り込んで自動仕訳ができないものは、手入力が必要でした。
そこで、当事務所を設立してすぐに外部の記帳サービスを利用しようと考えましたが、以前勤めていた事務所で使っていた記帳サービスは新規の契約を受け付けておらず、申し込むことが出来ませんでした。
そのため、2020年1月に開業してから2020年8月に弥生の記帳代行支援サービスを利用するまでの間は、納得の行くサービスが見つけられず、手入力で記帳していました。
―記帳代行支援サービスを導入する以前はどのような課題を感じていましたか?
記帳サービスを使わず手入力していたため、業務量が増えてしまい、残業が多くなっていました。新しい記帳サービスを見つけて、早く解決しなければいけないと思っていました。
- 記帳サービスを探していたものの、納得の行くサービスが見つけられずにいた。
- 手入力で業務量が増えてしまい、残業が多くなってしまっていた。
選んだきっかけ –記帳代行支援サービス
―今回、弥生の記帳代行支援サービスの導入を決めたポイントはありますか?
何か良い記帳サービスはないかと探していたとき、弥生が記帳代行支援サービスを始めたことを知りました。
弊社では、ほぼすべてで弥生会計を利用していて、弥生会計を中心にオペレーションを組んでいるので、記帳サービスも弥生で一本化できたら効率的だろうと考えていたので、早速申し込みました。
記帳を行う入力担当者にとっても、色々な会社のサービスを使うと大変になりますし、また、弥生は大きい会社なので、今後どんどん精度も良くなっていくだろうと考えて選びました。
―以前、他社の記帳サービスを利用していたということですが、弥生との違いはどのように感じましたか?
スピードが違うと思います。前職では、入力を依頼してから納品されるまで4日以上かかっていましたが、弥生は1~2営業日で納品になるので早い点が良いと思いました。
一方で、前職では伝票入力も対応してくれていたので、弥生も、伝票入力に対応していただけたら、よりありがたいと感じています。
- 弥生会計をメインで利用しているので、弥生の記帳代行支援サービスで一本化できたら効率的だと考えていた。
- 弥生なら今後もどんどん精度が良くなるだろうと期待が持てた。
導入の手順や手間 –記帳代行支援サービス
―初めはどのようなお客様から導入しましたか?
年1回まとめて決算を行っているお客様の中で、特に資料が多いお客様の中から1~2件を選んで試しました。
実際に使ってみて、特に支障もなくスムーズに使えたことと、出来上がりも早かったので、このまま継続して利用しようと決めました。
―現在の導入状況はどのような感じですか?
現状では、通帳やクレジットカード明細の量が特に多いもの10件程度のお客様で、記帳代行支援サービスを利用しています。
実は、手入力が必要な証憑すべてで活用しているわけではなく、会計業務を覚えるトレーニングの一環として、入社年次の浅いスタッフには手入力してもらっています。将来的にスタッフが入力業務をマスターして、次のステップに進むタイミングで、記帳は弥生にすべてお願いすることになると思います。
―記帳代行支援サービスの導入の手順や手間については、気になることはありましたか?
初めて使うサービスだったので、最初は戸惑いがありました。また、納品された仕訳を検証する作業にも時間がかかりました。
現在では、使い続けていることによって学習効果で精度が上がっていますので、納品データを取り込んだらほぼ終わりという状態になってきて、非常に楽になりました。
- 最初は納品された仕訳の検証に時間がかかっていたが、使い続けているうちに学習効果で精度が高まり、スムーズに利用できるようになっている。
導入後の成果 –記帳代行支援サービス
―記帳代行支援サービス導入後は何か変化はありましたか?
事務所全体の残業削減に効果がありました。
新規のお客様が常に増えている状態なので、具体的な残業の削減効果については分析しきれていませんが、業務が集中している数名を除いて残業が減り、1社にかかる時間も確実に減っていると感じています。
今後は、記帳代行支援サービスを今以上に使いこなして、事務所すべての残業をなくして、ワークライフバランスを重視した働き方ができるようにしていきたいです。
- 事務所全体の残業時間が減った。
- 1社あたりにかかる記帳時間が減った。
使ってみた印象と感想 –記帳代行支援サービス
―使ってみた印象はいかがですか?
当事務所の方針としては、事務所の規模を拡大して、なるべく記帳も内部でこなそうと考えています。ですが、予想以上にお客様が増えて人材の確保が追いつかなくなり、業務量をコントロールできなくなるタイミングが来るのではないかという不安もあります。
そういったときに、弥生の記帳代行支援サービスのように、いつでも仕事をお願いできる先があることは、安心感にもつながっています。
―記帳代行支援サービスの値段は、高いと思いますか、それとも安いと思いますか?
非常に良心的だと思います。学習機能があるので、何度も利用しているうちにどんどん精度が高まり、さらに安く感じるようになりました。
人件費と比較しても間違いなく安いです。
弊社は、採用を増やして事務所を拡大していく方針ですが、弥生の記帳代行支援サービスを使えば、人を雇わなくても業務をこなせてしまうという事務所も出てくるのではないでしょうか。
- 人件費よりも安く非常に良心的だと感じた。
- 利用していくうちに学習機能で精度が高まっていくため、さらに安く感じるようになった。
記帳代行支援サービスへの要望
―記帳代行支援サービスの内容についてご要望はありますか?
クレジットカード利用明細の記帳は、ひと月分を伝票仕訳にまとめてもらえたら、使い勝手が良くなり有り難いです。
現状では、カード利用明細の記帳は、利用1行ごとに仕訳が1本ずつ入力されて納品されてきます。利用明細が100行あれば仕訳が100本登録されるという状態です。
毎月の未払金の残高確認がしづらいので、1本ずつの仕訳を全件コピーして、伝票に貼り付けられないかと試してみたのですができませんでした。現在は、ソートを掛けて残高確認を行っています。
また、最近はキャッシュレス化が進んでいるので、クレジットカードを利用するお客様が増えています。
クレジットカード利用分を支払時に計上すると、費用の計上が月ズレになるため、月次損益が大きくぶれてしまうケースが出てきています。特に、粗利益に影響を受ける費用については、注意が必要です。
さらに、弊社では、数年後に上場を目指しているお客様がおられ、将来的には発生主義にする必要もあるため、全社的に発生主義に統一して仕訳を計上するようにしています。
そのため、たとえば同じカード利用明細に、5月分と6月分が記載されている場合は、5月分と6月分をそれぞれで1つの伝票というように仕訳してもらうと、さらに便利になると思います。
- クレジットカード利用明細の仕訳を月ごとに1つの伝票にまとめて仕訳できるようにしてほしい。
記帳代行支援サービスを検討している会計事務所へのメッセージ
―記帳代行支援サービスを導入し、時間に余裕ができたとのことですが、今後の展望はありますか?
今後、会計事務所業界は、記帳代行と自計化の2極化が進むのではないかと予測しています。
そのような中、弊社としては、今後も記帳代行を受けていくスタンスでいます。
自計化を選んだ場合、令和5年から導入されるインボイス制度で、適格請求書として適切なものなのかをお客様ご自身が判断しなければなりません。お客様の判断をどこまで我々がチェックする必要があるのかという問題もありますが、資料の判断をお客様任せにして我々が申告を行うと、お客様にとって良い判断にならないこともあると思うからです。
また消費税も含めて、今後、税制がどんどん複雑化することも考えられます。
そのような視点から、自計化よりもアウトソーシングの方が、お客様が本業に集中できるうえに、経理の人材を雇う必要もなくなり良いのではないかと考えており、当事務所では、記帳代行の契約件数を増やしていきながら、将来的に50人規模まで人員を増やすことを目指しています。
課題としては、色々なサービスやオペレーションを試行錯誤しながら、少しずつ成果が出て、業務効率化が進んでいるものの、一部ではまだ残業が残っている点です。
これから記帳代行支援サービスを一層活用しながら業務効率化を図り、ワークライフバランスをより重視し、働く時間や場所に制限のある方などより多様な方々が安心して働けるような事務所にしていきたいと考えています。
―導入を検討している会計事務所の皆さまに向けて、メッセージをお願いします。
新しいものを導入しようとするときは、抵抗があるケースも多いですし、最初からすべてうまくいくことも期待できません。
私自身も、最初は戸惑いがありましたが、長いスパンを見据えて踏み出すことで、繰り返してくうちにどんどん効率化されていくことが分かりました。
将来的に効率化したいと考えている事務所の皆様には、ぜひ一度、小さいクライアントからでもいいので試してみて、効果を実感していただきたいと思います。
効率化が高まっていけば、従業員さんの満足度も高まり、離職が減り、定着率もアップします。
また、若い方たちは、新しい活動をしている最先端のところで働きたいという意欲を持っている方が多いので、新しいサービスを活用して成長できる環境作りをすることで、採用活動への効果も期待できると思います。
―本日は、貴重なお話やご意見をありがとうございました。
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