2019年12月の会計士業界の時事ニュースをお届けします。
11月29日、28日、12月6日にリリースされた「欧州で気候変動リスク対応にバラつき」「AIで薄れかけた電卓が音楽で復活」「4大監査法人開発の債権債務確認共通システム始動」の3件のニュースをご紹介します。
欧州で気候変動リスク対応にバラつき
- 4大監査法人に気候変動リスク対処を要請、欧州投資家らが書簡(REUTERS 2019年11月29日付)
このまま気候変動が進めば資本市場に多大な影響を及ぼすことが懸念されています。日本公認会計士協会でも、2019年5月10日付けで、経営研究調査会研究報告第64号「気候変動を知る-動き始めた資本市場・情報開示-」が公表されています。気候変動リスクは世界的に無視できない存在になりつつあります。
今回、欧州の4大監査法人に対して気候変動の関連リスクに早急に行動するよう書簡が送られた件に関する記事が、REUTERSよりリリースされています。
運用資産が合計1兆ポンド(1兆2800億ドル)を超える欧州の29の投資家が4大監査法人(EY、デロイト、KPMG、PwC)に対し、気候変動の関連リスクを見過ごさず早急に行動するよう求める書簡を送っていた。
引用元:4大監査法人に気候変動リスク対処を要請、欧州投資家らが書簡(REUTERS 2019年11月29日付)
記事では、投資家グループを率いる資産運用会社の担当責任者は、監査法人が対応を怠れば深刻な損害のリスクをもたらすと警告していると伝えています。
気候変動情報の開示は、監査上の重要な論点として対応が迫られています。記事では詳細が述べられていますので、ご参照ください。
- 4大監査法人に気候変動リスク対処を要請、欧州投資家らが書簡(REUTERS 2019年11月29日付)
AIで薄れかけた電卓が音楽で復活
会計士受験生の時、ピアノを習っていたおかげで電卓が得意という方もおられるでしょう。ですが、まさかピアノと電卓がこんな風にコラボするとは思いもよりませんでした。
電卓4台でパイレーツオブカリビアンを弾いてみた pic.twitter.com/Kxvvg2BgzP
— あたりめ (@atarimae_400) November 28, 2019
演奏しているのは「あたりめ」さんです。2018年10月から、Twitterで電卓演奏を公開し始めて以来、SNS上で話題になっている方です。
「パイレーツオブカリビアン」以外にも、米津玄師の「Lemon」やLISAの「紅蓮華」、「銀河鉄道999」など次々と人気曲を演奏されています。
ちなみに、普通の電卓は音が鳴らないはずなのに(もし試験会場や会社で電卓音が鳴り続けたら、気になって仕方ありません)、音が鳴る電卓をどこで入手したのか気になる方もいらっしゃると思います。
動画で使用されている電卓の品番「AR-7778」をネット検索してみると、Amazonで取り扱いがありました。音楽モードがある、特殊な電卓のようです。
今はAI化が進み監査現場で電卓を使う機会は減りつつありますが、電卓を華麗に弾きこなすあたりめさんの演奏を聞くと、ロマンチックなメロディ-と共に、受験時代に電卓を叩き続けたことが懐かしく思い出されます。
4大監査法人開発の債権債務確認共通システム始動
- 債権債務の確認、4大監査法人が共同センター(日本経済新聞 2019年12月6日付)
昨年11月30日に、EY新日本、トーマツ、あずさ、PwCあらたは共同出資で「会計監査確認センター合同会社」を立ち上げました。
今回、会計監査確認センター開所に関する記事が、日本経済新聞よりリリースされています。
年間100万通とされる書面のやり取りを集約するとともに、インターネット上で作業を完了できるシステムの構築を進める。
引用元:債権債務の確認、4大監査法人が共同センター(日本経済新聞 2019年12月6日付)
記事では、トーマツが開発したシステムをベースにして、センターが書面のやり取りを代行するという流れになっており、年間100万通のうち初年度は15万通の取扱いを目指すそうです。
皆さんも、新人の頃、繁忙期に残高確認状の発送と回収でかなり時間を取られて、大変だったかと思います。運用面でも使いやすくなるよう工夫してもらい、業務効率化に貢献してもらいたいですね。記事では詳細が述べられていますので、ご参照ください。
- 債権債務の確認、4大監査法人が共同センター(日本経済新聞 2019年12月6日付)
(著者:大津留ぐみ / 大津留ぐみの記事一覧)