2019年8月の会計士業界の時事ニュースをお届けします。
7月26日にスタートしたドラマに関する記事、「多部未華子が経理部員!NHKドラマ」、7月27日、8月1日にリリースされた「上場審査厳格化でIPO数が激減」「トーマツ300名体制でAudit Innovation部編成」の、3件のニュースをご紹介します。
多部未華子が経理部員!NHKドラマ
- これは経費で落ちません!(NHK 2019年7月26日スタート)
会計業界に関連したドラマは希少なのと、主演が多部未華子さんということで、すでにご覧になった方も多いのではないでしょうか。
7月16日から、NHKドラマ10「これは経費で落ちません!」がスタートしました。
原作は、青木祐子著の小説で、漫画化もされています。
「経理部」イコール「堅くて融通が利かない」というイメージでが多そうですが、ドラマではどのように描かれているのでしょうか。
NHKの番組サイトでのストーリー紹介です。
石鹸(せっけん)メーカーの経理部に勤めるアラサー独身女子・森若沙名子は、貸借対照表のごとく、「何事にもイーブンに生きる」をモットーに、回ってくる領収書や請求書をチェックする。それぞれの伝票には、金額や最低限の事由しか書かれていない。だが、よくよく精査すると、そこにはこの経費に関わった人々の怪しい事実や、はたまた悩める人生まで見えてくるー。
引用:これは経費で落ちません!(NHK 2019年7月26日スタート)
第1話は、多部さん扮する経理部員の森若沙名子が、ある請求書が実は私用ではないかと疑うというストーリーでした。
NHKの公式Twitterでも紹介されています。
【 #これは経費で落ちません !】経理部の森若さんを #多部未華子 がクールに熱演!?そして森若さんを慕う営業部の山田太陽を #重岡大毅 が爽やかに演じます。社内のワケありの人間模様や出来事をコミカルに描く、新時代のオフィスドラマ!https://t.co/PFtJIdbSar
— NHKドラマ (@nhk_dramas) 2019年7月20日
このドラマに出てくる経理部員の森若沙名子は、経理への愛情が強くて、つい余計な追及までしてしまうという人間味溢れる役柄で、多部未華子さんのイメージにピッタリはまる役柄です。週末の疲れがスッと軽くなるような口当たりの良いドラマです。
上場審査厳格化でIPO市場に影響か!?
- 日本取引所、新規株式公開厳しく 証券会社などに審査強化を要請 (日本経済新聞 2019年7月27日付)
2013年のIPOは54件でしたが、2105年以降は80~90件で推移し、昨年2018年も90件と、高止まりの傾向が見られます。
しかし、IPOを目指す企業が増える同時に、内部管理体制の問題が発覚するケースも増えています。
今回、日本取引所グループ(JPX)のIPO手続の厳格化に関する記事が、日本経済新聞よりリリースされています。
東京証券取引所などを傘下に持つ日本取引所グループ(JPX)が、企業の新規株式公開(IPO)の手続きを厳しくしている。証券会社や監査法人に上場申請前の引受審査や指導の厳格化を要請した。上場候補企業の内部管理体制の不備が発覚する事例が相次いだためだ。市場の質向上を目指すが、スタートアップ企業などの今後の上場に影響を与える可能性がある。
引用:日本取引所、新規株式公開厳しく 証券会社などに審査強化を要請 (日本経済新聞 2019年7月27日付)
記事によると、JPXが上場承認しなかった件数は、前年から大幅に増加して2018年度は46件に上ったそうです。また今後、上場手続きが厳しくなれば、上場申請の取りやめや延期にもつながりかねないと指摘しています。
IPO件数が増えて市場が活発になることは魅力的ですが、上場に相応しい内部管理体制を備えた会社でなければ、投資に対する信頼が揺らいでしまいます。JPXの対処は、投資家目線に立った適切な対応と言えそうです。
トーマツ300名体制でAudit Innovation部編成
- 監査変革に関わる全てのプロジェクトを主幹・推進するAudit Innovationを強化 (デロイトトーマツ 2019年8月1日付)
監査を取り巻く環境が目まぐるしく変わる中、監査法人では対応を強化しています。
今回、監査法人トーマツのAudit Innovation部に関して、デロイトトーマツよりリリースされています。
有限責任監査法人トーマツ(東京都千代田区、包括代表 國井泰成、以下トーマツ)は、Audit Innovationを強化し、8月1日付で、担当執行役を置いたうえで、監査変革に関わる全てのプロジェクトを主幹・推進する「Audit Innovation部」(担当執行役 稲垣浩二 部長 矢部誠)を編成しました。
引用:監査変革に関わる全てのプロジェクトを主幹・推進するAudit Innovationを強化 (デロイトトーマツ 2019年8月1日付)
リリースによると、監査法人トーマツが研究開発したデータ分析手法「Audit Analytics」、残高確認オンラインサービス「Balance Gateway」他の取り組みを有機的に結合し、社会のデジタル化やニーズの変化へ迅速に対応することが見込まれているそうです。また、Audit Innovation部は、データサイエンティストやデジタル技術の専門家他の多彩なスペシャリスト約300名で構成されるとのことです。
監査法人トーマツの全構成員7千名弱のうち、約5%がこの部門に集結されることになり、監査変革への意気込みが感じられます。他の監査法人や被監査会社に対しても影響を与える取り組みになるのでしょうか。
(著者:大津留ぐみ / 大津留ぐみの記事一覧)