クラウド化により迅速な経営判断を可能にするバックオフィス体制を構築
古賀オール株式会社
1951年設立。鋼板の加工・販売を行う鉄鋼一次指定商社。自社でコイルセンターを保有し最新鋭の各種加工設備と高い技術力を誇りに、様々な業界へ時代のニーズに合わせた高品質の鋼板を納入している。東京に本社と工場を置き、群馬、長野、宮城に支店と工場を配置。会社のモットーは「鉄を通じて社会を豊かに」。独立系商社と製販一体であることが強み。
http://www.koga-all.co.jp/
課題
- 詳細な財務状況の把握や分析が行えなかった
- 紙の伝票を使用しての業務が多く、業務フローが煩雑になっていた
- タイムカードによる勤怠管理では、フレックス制やリモートワークに対応できなかった
結果
- 財務状況の可視化が進み、迅速な経営判断が可能になった
- 業務自動化とデータ連携により、経理財務部の業務効率化を実現
- 多様な労働パターンの勤怠管理ができるようになった
この時代を戦い抜くために、バックオフィスをクラウド化。生産性の向上だけでなく、経営状況の可視化や多様な働き方への対応も可能に。
「鉄を通じて社会を豊かに」をモットーに、独立系の鉄鋼一次指定商社として鋼板の加工販売を行っている古賀オール株式会社。インフレによる原材料価格の高騰をきっかけに財務状況の把握と分析の必要性を感じ、マネーフォワード クラウドを導入。システムの刷新により、詳細な財務情報の把握・分析が可能になっただけでなく、勤怠管理や経費申請の効率化にも成功した同社に導入時の背景や導入後の効果を伺いました。
昨今のインフレをきっかけに、バックオフィスの見直しに着手。迅速な経営判断のために、情報の可視化が必要だと考えていました。
――まず、貴社の概要と事業内容について教えてください。
益子様:当社は1951年に設立し、鋼板の加工販売を行っている独立系の鉄鋼一次指定商社です。自社でコイルセンターを保有しており、最新鋭の加工設備と高い技術力を駆使して、さまざまな業界や時代のニーズに合わせた高品質の鋼板を納品しています。
当社は「鉄を通じて社会を豊かに」をモットーに掲げており、独立系商社として製販一体であることが一番の強みです。また、創業70年を超える企業ではあるものの、直近では企業理念を見直して、再度明文化するなど、会社の仕組みや雰囲気がここ数年でかなり変化しており、この点も大きな特徴といえます。
――バックオフィスのチーム体制について教えてください。
益子様:本社のバックオフィスは、経理財務部・人事部・情報システム部・社長室に分かれており、東京工場、北関東支店、甲信越支店、東北支店の各拠点にはそれぞれ管理部門を設置しています。
本社のバックオフィスは全体で23名、各拠点の管理部門は3~4名で構成されています。その中で、経理財務部は私と青山を含む6名で日々の仕訳作業や支払い請求書の処理、固定資産管理や預金管理といったお金の管理全般を担っています。
人事部では総務・人事・採用を、藤倉が主任を務めている情報システム部では社内システムの管理やシステム導入の対応を行っています。
社長室は会社全体の経営戦略や財務分析などを担っており、北村はサブリーダーとして経営戦略の立案をメインに担当しています。
バックオフィスは間接部門のため、日々のルーティンワークにかかる時間を削減し、優先度の高い業務やプラスαの業務に取り組むことを目標にしています。ルーティンワークを効率的に行えるよう、システムを活用しながら、パフォーマンスの向上を目指しています。
また、マネーフォワード クラウドの導入により、早く月次処理ができるようになったため、2023年から月次報告をするようになり、経理財務部では10営業日以内で月次決算を締めるという目標を達成することができました。
――マネーフォワード クラウドを導入した背景・理由について教えてください。
北村様:急激なインフレにより、原材料の価格がここ2~3年で2倍ぐらいに高騰しています。そのため、財務状況をより具体的に確認・分析をしていく必要があると感じるようになりました。しかし、もともとのオンプレミス型システムは税務目的で使用していたことや、複合仕訳が行えないことから、詳細な財務状況の把握や分析が行えないという課題がありました。
このような背景を踏まえて、新しいシステムを導入し、経営判断においてもっとも重要な財務情報の可視化に着手することにしました。さらに、クラウド型のシステムを導入することで、労働生産性の向上を見込めることや、今までとは違う粒度で勘定科目や補助科目の見直しができると感じ、システムの選定を開始しました。
バックオフィスのシステム入れ替えは、一時的な負荷もかかりますし、同時にスピード感も求められるため、経理財務部単独ではなく社長室とタッグを組むような形で推進していきました。
システムの刷新は私も含めてメンバー全員が不慣れでしたが、状況が差し迫っていましたし、先延ばししても良いことはないと考え、このタイミングでチャレンジしました。
できないことややったことがないことにチャレンジする組織文化を醸成しないと、これからの時代を戦い抜けないとも感じていたため、経験値を積むという点では、とてもいい機会になったと思っています。
――マネーフォワード クラウド導入の理由と決め手となったポイントについて教えてください。
北村様:マネーフォワードを含む数社で、コスト面やUI/UX、システム間の連携面などを比較・検討しました。最終的には、必要なシステムを選んで導入できる点と、必要に応じて段階的に拡張していくことで、各種システムを1つのクラウド内ですべて連携できる将来性が決め手となり、マネーフォワード クラウドの導入を決めました。
また、前職でマネーフォワード クラウドを使用したことがあるメンバーが社内におり、使い勝手などのリアルな声を聞けたことも、導入の後押しになりました。
バックオフィスのクラウド化により、生産性の向上を実現。経営判断に必要な情報も入手可能に。
――マネーフォワード クラウド導入後の効果について教えてください。
北村様:導入前に使用していたオンプレミス型のシステムでは税務申告書を作成することがゴールになっていましたが、マネーフォワード クラウド会計Plus導入後は、PL/BSのキャッシュフローへの変換や、管理会計の実施が可能となりました。部門ごとの按分もできるようになった結果、現在では他部門をつなぐ共通言語・共通資料という位置づけで機能しています。
青山様:私はマネーフォワード クラウド会計Plus導入後に経理財務部に異動したため、導入前の業務フローとの比較はできないのですが、導入前から経理財務部にいたメンバーからは「業務が自動化されたことで、負荷が減った」という声を聞いています。私自身も各種システムとの連携やCSVの読み込みにより、データを簡単に取り込むことができるため、経費精算などとの連携が非常に効率的だと感じています。
益子様:マネーフォワード クラウド経費の導入前は出金伝票すべてに上長の判子が必要で、承認フローが煩雑だったことに加え、ビジネスカードを所有していなかったため、すべて現金で管理しており、都度精算や現金の受け渡しが必要な状態でした。
マネーフォワード クラウド経費の導入後は、紙の伝票を使用していた業務をシステム化することに成功し、労働生産性が向上しました。紙の伝票を使用する業務が大幅に減ったことで、業務の処理スピードが向上しただけでなく、ヒューマンエラーの低減にもつながりました。
また、すべての業務フローをシステム上で完結できるようになり、管理業務はかなり効率化されています。マネーフォワードのビジネスカードであるマネーフォワード pay for businessを一緒に導入したことで、現金の受け渡しがなくなり、用途や履歴の詳細も簡単に確認できるようになりました。
北村様:マネーフォワード クラウド経費の導入に際しては、承認フローのシステム化だけでなく、同時に決裁権限の最適化も行ないました。従来は部長クラスがすべて決裁していましたが、システム化に伴い、大事な情報が細かい情報に埋もれてしまうリスクが生じていました。
そのため、大事な情報だけに集中してもらえるよう、一定金額であれば課長でも決裁できるようにするなどの権限委譲を行いました。そのような見直しの機会を持つことができた点も良かったと思っています。
青山様:マネーフォワード クラウド経費を導入して約半年ですが、営業部のメンバーからは「場所を問わずに隙間時間にスマートフォンから経費申請できるため、とてもラクにになった」という声が上がっています。
働き方改革の一環としてフレックスタイム制を導入。さまざまな勤務形態に対応でき、勤怠管理もスムーズに。
藤倉様:働き方改革の一環としてフレックスタイム制を導入した当社ですが、従来の勤怠管理方法であるタイムカードでは、労働時間の集計に莫大な時間・労力がかかると感じていました。また、新型コロナウイルスの流行によってリモートワークの社員が増え、どこからでも打刻できる状態を作りたかったこともあり、勤怠管理のクラウド化を目指すことになりました。
最初はマネーフォワードを含む3社で比較検討を行ったのですが、経理財務部からマネーフォワード クラウド会計Plusと一緒にマネーフォワード クラウド勤怠を導入したらどうかという意見をもらいました。トライアルを行った結果、使い勝手が良く、サポートが充実していて操作方法に不安要素がなかったことから、マネーフォワード クラウド勤怠の導入を決めました。
当社は多様な労働パターンを設定する必要があります。比較検討を行った1社はシンプルすぎて当社の労働パターンに対応しきれず、対してもう1社は設定項目が多すぎてどうしたらいいのかわからないという感想でした。そのため、多様な労働パターンに対応でき、かつ直感的に使用することができる点もマネーフォワード クラウド勤怠を導入する決め手になりましたね。
社員の声としては操作がシンプルかつ簡単で使用しやすい、パソコンやスマートフォンから打刻・申請が行えるのが便利という意見を多くもらっています。同時に、勤怠状況がリアルタイムで可視化されるため、働き方を見直す機会になったという感想も上がっています。
また、勤怠管理をする側としては、「業務がラクになった」の一言に尽きますね。マネーフォワード クラウド勤怠を導入する前は、申請は紙、残業時間や有給休暇は表計算ソフトで集計していたため、勤怠管理にかかる工数が非常に多くなってしまっていました。さらに、集計業務も各事業所の管理者が集計するのを待った後、本社にて全社員の集計を行っていたため、全体で1週間程度かかっている状態でした。
マネーフォワード クラウド勤怠の導入後は、CSVでデータ集計して、欲しい情報をすぐに入手できるようになったため、集計業務も1日で終わるようになり、とても助かっています。
マネーフォワードなら導入支援サポートも充実。安心して導入できました。
――導入支援サポートの内容はいかがでしたでしょうか。
北村様:マネーフォワード クラウド会計Plusの導入に際しては、導入支援担当の方にしつこく問い合わせしてしまったのですが、すごく丁寧に対応してもらいましたし、営業担当の方はマネーフォワード クラウド会計Plus以外のサービスにも視野を広げ、包括的にフォロー・サポートしてくれました。導入に向けて意見をはっきり言ってくれたことも良かったですね。
青山様:マネーフォワード クラウド経費では、セルフプランで導入をしましたが、問い合わせ時に担当者の顔が見えず、不安になることがあり、サクセスプランの重要性を感じました。費用はかかりますが、サクセスプランには費用以上の安心感と価値があると思っています。
藤倉様:マネーフォワード クラウド勤怠の導入時にも導入支援を受けましたが、非常に助かりました。勤怠システムの導入がはじめてということもあり、不安もあったのですが、導入前も導入後もとても丁寧に対応してくれました。
質問に対してのレスポンスも早く、担当者の不在時も別の担当者がフォローしてくれたため、回答を待たないといけないストレスも全くありませんでした。チームとしてすごく連携が取れていて感心しましたね。
――最後に、マネーフォワード クラウドの導入を検討されている方々に向けて、メッセージをお願いいたします。
益子様:まずは社内で抱えている課題の洗い出し・整理を行ったうえで、どの領域から導入すべきか優先順位をつけることをおすすめします。マネーフォワードは営業担当者の方が課題をしっかりとヒアリングし、整理したうえで提案してくれるため、優先順位付けをして検討や導入を進めることができます。課題解決に向けて、寄り添って一緒に考えてくれるため、心強いパートナーだと思っています。
藤倉様:一般的な工場ではタイムカードを使用していることがまだまだ多いと思います。そのような企業はぜひマネーフォワード クラウド勤怠を導入してみていただきたいです。最初はこれまでのやり方が変わることに対して後ろ向きなメンバーもいるかもしれませんが、結果的にはとても便利になり、満足してもらえるはずです。
北村様:マネーフォワード クラウドは経理財務領域・人事労務領域とサービスラインナップが豊富なため、個別最適ではなく、全体最適を実現できる点が強みだと感じていますし、おすすめしたいポイントです。
※掲載内容は取材当時の情報です。
今回の導入サービス
引用元:クラウド化により迅速な経営判断を可能にするバックオフィス体制を構築 – 「マネーフォワード クラウドERP」導入事例