公認会計士が独立開業するにあたり、税理士資格を取得し税理士事務所を開業する形態があります。
税理士業は中小・零細企業を顧客とするため、大企業と比べて案件の獲得がしやすい反面、競争が激しい部分もあります。そのため効果的な集客や顧客獲得をするには、ターゲット層に伝わるプロフィールが必要となります。
この記事では税理士として開業予定の方を対象とした、魅力的なプロフィールの書き方のポイントと、実際にプロフィールを書く下準備となるワークシートを紹介します。
対象を税理士としていますが、税務に携わらない公認会計士にも参考になる内容になっています。
プロフィールの役割
税理士のプロフィールの役割は、
「この税理士なら適切なサービスを受けられそう」
と見込み客が認識し、HPなどでの問い合わせにつなげることにあります。
税務に詳しくない経営者や個人事業主は、そもそも税理士が何をしてくれるのか分からないことがあります。見込み客は税理士ごとの違いが分からず、どの税理士に依頼すれば良いのか迷っていることも少なくありません。
見込み客の属性に応じてプロフィールを充実させることで、獲得したい顧客へ適切なアプローチを行うことができます。例えば起業したての人をターゲットとするのであれば、堅いイメージは避け、何でも相談しやすい雰囲気を醸し出すことなどが考えられます。
プロフィール作成のポイント4つ
魅力的なプロフィール作成には主に4つの手順があります。
- ターゲットとする顧客を思い浮かべる
- 税理士の経歴・生い立ちを書き出す
- 業務内容と差別化を考える
- 媒体に応じてボリュームを調整する
ターゲットとする顧客を思い浮かべる
まずプロフィールの読み手のイメージを膨らませます。
プロフィールをどんな人に届けたいか、どんな人に顧客になってほしいかをイメージします。
架空の人物でも構いませんが、今まで取引のあった顧客などを思い浮かべるとイメージしやすいです。
顧客を具体的にイメージして、彼らに伝わりやすいメッセージを考えるのが目的です。
顧客のイメージとしては次のような要素を考えてみましょう。
- 氏名
- 性別
- 年齢
- 業種や事業内容
- 抱えている悩み
税理士の経歴・生い立ちを書き出す
次に税理士の出身地や高校・大学、勤務した会社や経験した仕事などを書き出していきます。実際に勤務経験のある業種は税理士の「得意業種」として説得力を持たせることもできます。経歴は箇条書きでも構いませんが、ストーリー形式が好まれます。
ストーリー形式は過去から未来へ時系列ごとに話が進むなかで、税理士自身が感じたうれしかったことや悔しかったことを盛り込む形式です。エピソードを盛り込むことで、人として温度のあるメッセージが発信され、無色透明ではなく、カラーのある人物として読み手に伝わります。
業務内容と差別化を考える
読み手は税理士が何をやってくれるのかわからないことがあるため、業務内容を書き出していきます。
業務内容については差別化、つまり他の税理士と違う点をアピールしましょう。
例えば得意分野や得意業種や特定の専門性のほか、税理士自身の経歴や人柄も立派な差別化ポイントになります。
公認会計士としてのバックグラウンドを生かして株価算定や社外CFOなどのサービスを絡めたアピールも有効です。
媒体に応じてボリュームを調整する
最後に書き出した内容を媒体ごとに応じてボリュームを調整していきます。
税理士紹介サービスによっては、掲載できる文字数に制限があることもあるので注意が必要です。
プロフィール作成ワークシートをぜひご活用ください
プロフィールは0から作ると何を書けば良いのかわからず、なかなか筆が進まないことがあります。
そこで今回プロフィール作成ワークシートを作成しました。
こちらのワークシートは、プロフィール作成に必要な手順を組み込んだメモ帳のようなものです。順序に従って内容を埋めていけば、プロフィールに必要な文章が一通りそろいます。プロフィールの例文もついていますので、初めて専門家としてプロフィールを作成する際にぜひご利用ください。