2021年6月の会計士業界ニュースをお届けします。
「デロイトトーマツDX支援の拠点を福岡市に」「過去の粉飾決算の実態とコロナ禍での影響」「柔軟な働き方への取組みEYジャパン地方移住制度」の3本です。
デロイトトーマツDX支援の拠点を福岡市に
多くの企業でDXを導入する動きが広まっています。一方、DXは、既存の老朽化した基幹システムを取り替えるような単なるデジタル化ではなく、個々の企業の特徴を理解したトランスフォーメーションが必要なため、導入しても期待した通りの成果が上がらない事例も見受けられます。
今回、デロイトトーマツグループのDX推進のための新拠点「デロイトキューキャンパス」に関する記事が、日本経済新聞よりリリースされています。
監査法人などのデロイトトーマツグループ(東京・千代田)は1日、福岡市に企業や官公庁のデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進を支援する新拠点を設立したと発表した。
引用元:デロイトトーマツ、福岡市にDX推進支援の新拠点(日本経済新聞 2021年6月1日付)
記事によると、新拠点の設立は、新型コロナウィルス禍による企業のDX需要の高まりに応えるためとしており、3年後に300人規模に拡大する予定と伝えられています。
デロイトトーマツグループでは、戦略策定から、製造業、サービス業、官公庁や金融機関などのDXを推進するソフトウェア開発・導入までサービスを提供するとしています。今まで業務フローや内部統制に関して蓄積したノウハウを活かして、個々の企業の環境や特性に即した、実践的なサービスが提供されることになるものとして、今後に期待が集まります。
詳細は以下の記事をご参照ください。
過去の粉飾決算の実態とコロナ禍での影響
東芝やオリンパスのような一部上場企業だけではなく、IPO直後に粉飾決算が発覚するケースも続いています。粉飾決算により企業価値が著しく低下してしまうのに、なぜ粉飾決算は無くならないのでしょうか。
今回、過去の粉飾決算の要因や、今後の見通しについての特集記事が、日経ビジネスよりリリースされています。
赤字隠しなどを目的に不正会計を行い、虚偽の財務諸表を作成する粉飾決算。オリンパスや東芝など大企業の事例が有名だが、企業の大小にかかわらず粉飾決算は行われている。ここでは粉飾決算の動機となる要因に加え、粉飾決算の事例やコロナ禍による影響について、過去記事から振り返る。
引用元:[粉飾決算]とは? 企業が不正会計に走る理由と実態(日経ビジネス 2021年6月4日付)
記事では、企業を粉飾に走らせる要因、会計システムが抱える問題、虚偽記載を軽く見る日本の風土、コロナ禍の会計不正、など粉飾決算を様々な角度から分析しています。
最高益を売り上げる企業がある一方で、コロナ禍の業績悪化で粉飾会計を行うリスクも高まっています。監査にはより慎重な監査が求められます。
詳細は以下の記事をご参照ください。
柔軟な働き方への取組みEYジャパン地方移住制度
ほんの数年前までは、テレワークで監査業務を行うなど信じられない話でしたが、コロナ禍で、柔軟な働き方を認める企業が増えています。
今回、コロナ禍での働き方に関する、日本経済新聞とパーソルキャリアのアンケート調査に関する記事が、日本経済新聞よりリリースされています。
回答企業の5割はコロナ収束後もテレワークを恒久措置として続けると回答。個人は若い世代ほど柔軟な働き方を企業選びの際に重視すると答えた。
引用元:柔軟な働き方、コロナ後も企業「リモート継続」47%/若者「転職で重視」(日本経済新聞 2021年6月6日付)
記事では、企業が新たに導入した施策では「Web会議システムの整備」が最も多く、2番目に「テレワークの導入・拡大」が続くと、アンケート結果を伝えています。また、EYジャパングループの従業員の地方移住制度についても紹介しています。
従業員のライフスタイルに合わせた柔軟な働き方を認めることは、企業にとっても優秀な人材の採用につながるなどメリットも多く、導入が進みそうです。
詳細は以下の記事をご参照ください。
(著者:大津留ぐみ / 大津留ぐみの記事一覧)