2018年2月16日から2月19日にかけて、東芝監査関連、会計士協会イベント、会計士による有名企業買収などに関する複数のニュースがリリースされています。
東芝監査を担当していたPwCあらたに対する会計士協会の決定、女優の飯豊まりえさんをゲストに女子高生100人を招いて会計士認知度アップのイベント開催、KKベストセラーズの新社長が廃業支援コンサルを行う公認会計士、などに関する記事など幅広くご紹介します。
東芝の監査意見巡り騒動あるも、会計士協会からPwCあらたへの処分なし
- 会計士協会、東芝監査のPwCあらた「おとがめなし」 (日本経済新聞 2018年2月16日付)
東芝問題で会計士協会から2ケ月間の会員権停止処分を受けた新日本監査法人。その後2016年1月に、新日本監査法人からPwCあらたへと、東芝の監査人が交代しました。そして、注目のPwCあらた監査法人の監査意見は、意見不表明でした。
今回は、PwCあらた監査法人が意見不表明とした件を会計士協会が調査した結果について、日本経済新聞より記事がリリースされています。
日本公認会計士協会は16日、東芝の決算を監査しているPwCあらた監査法人について処分しないと発表した。
引用元:会計士協会、東芝監査のPwCあらた「おとがめなし」 (日本経済新聞 2018年2月16日付)
会計士協会の調査終了で、東芝監査に関係した監査法人の一連の処分が終了したことになります。一足早く監理銘柄から脱した東芝に対して、遅ればせながら監査法人の責任問題も幕引きとなりました。
会計士協会主催イベントJK×JK、ゲストに飯豊まりえさん
- JK(女性公認会計士)×JK(女子高校生)未来トーク開催される(2/17) (日本公認会計士協会 2018年2月19日付)
- 飯豊まりえ“デキる女”はラブリ「夢に向かって歩んでいてすごい」 (スポーツニッポン新聞社 2018年2月17日付)
将来のキャリアパスの選択肢の1つとして公認会計士を知ってもらいたいと、女子高生約100人を招いて公認会計士会館でトークイベントが開催されました。女優の飯豊まりえさんをゲストに迎えています。
2月17日に行われたイベント「JK(女性公認会計士)×JK(女子高校生)未来トーク グローバルに活躍するデキる女は何が違うの!?」の様子が、会計士協会Webサイトに掲載されています。
冒頭あいさつに立った関根愛子会長からは、企業活動のあるところには公認会計士が必要であること、そして企業活動の国際化に伴い公認会計士が日常的に駐在や出張で海外に行く機会も増え国際性が高まっている状況が紹介され、国際的な活躍を夢見る女子高校生にはぜひ目指してほしいという話がありました。
引用元:JK(女性公認会計士)×JK(女子高校生)未来トーク開催される(2/17) (日本公認会計士協会 2018年2月19日付)
イベントには、海外勤務経験のある公認会計士の岡本いずみさんや、海外活躍を目指す準会員の林佳緯さんも登壇されて、仕事から公認会計士の恋愛事情まで話題に上がり、盛り上がったそうです。また、女優の飯豊まりえさんもゲストとしてパネルトークに登壇。この様子が、スポーツニッポン新聞社で取り上げられています。
自身の夢には海外進出を挙げ、やってみたい役に「(海外ドラマの)『ウォーキング・デッド』が好きなのでゾンビ役」と語った。約100人の女子高生には「夢は口に出した方がいい。自分が決めたことをやり遂げて欲しい」とメッセージを送った。
引用元:飯豊まりえ“デキる女”はラブリ「夢に向かって歩んでいてすごい」 (スポーツニッポン新聞社 2018年2月17日付)
記事によると、高校生に会計士のことを身近に知ってもらおうと考えたイベントは大成功で、公認会計士の認知・理解向上になったとのことです。
平成29年度の合格者に占める女性の比率は2割弱とかなり少ないのが現状ですが、今後は女性の受験者数が増加するかもしれませんね。
KKベストセラーズの新社長に、廃業支援コンサルを行う会計士が就任
- 社長が消えた!? 老舗出版社が突如「解体の危機」 (週刊現代 2018年2月16日付)
- 「KKベスト」が謎の公認会計士に身売り(FACTA 2018年3月号)
出版社のKKベストセラーズの社長交代で、老舗出版社が廃業の危機に瀕しているようです。一体どういうことなのでしょうか。これについて、週刊現代では以下の記事をリリースしています。
社内で全体朝礼が開かれ、栗原武夫社長が前日限りで社長を退任したことを事後報告。廃業支援などを行うコンサルティング会社代表で、33歳の公認会計士・塚原浩和氏の新社長就任が発表された。
引用元:社長が消えた!? 老舗出版社が突如「解体の危機」 (週刊現代 2018年2月16日付)
記事によると、総額30億円とも言われる譲渡額で会社を買収した新社長は、「出版事業には興味がない」し、「コンテンツの切り売りを進めていく」と明言しているそうです。どうやら経営不振が原因となり買収されたようで、買収後は、再建ではなく解体の道のりを進みそうです。
この件については、オリンパス事件をスクープしたFACTAの2018年3月号でも、「KKベスト」が謎の公認会計士に身売りとして掲載されています。
小説にもなりそうな今回の買収劇。KKベストセラーズの愛読者がこの記事を見たら、「新しい小説の告知?」と思ってしまいかねないほど、信じられないニュースなのではないでしょうか。
(著者:大津留ぐみ / 大津留ぐみの記事一覧)