12月8日から12月15日にかけて、デロイトトーマツ関係の複数のニュースがリリースされています。
企業のリスク管理支援を行うクラウドサービス「リスクアナリティクス オン クラウド」の提供開始、株式会社ディスコよりマッチングサイト「M&Aプラス」事業の譲り受けに関する記事など幅広くご紹介します。
企業のリスク管理を支援するクラウドサービス提供開始。
- 不正や虚偽申告をクラウドでストップ、監査法人トーマツが新サービス(ITpro 2017年12月14日付)
- トーマツ、会計のリスクをクラウド上で分析(日本経済新聞 2017年12月15日付)
2016年3月に日本公認会計士協会より、IT委員会研究報告第48号「ITを利用した監査の展望~未来の監査へのアプローチ~」が公表されたことは記憶に新しいのではないでしょうか。業務効率化と品質管理の向上を目指して、各監査法人では監査のIT化が進められていることと思います。
そんな中、監査法人内部のみならず企業へもサービスを提供しようとする動きがありました。
ITproによると、監査法人トーマツが企業のリスク管理を支援するクラウドサービス「リスクアナリティクス オン クラウド」を2018年2月に提供開始することについて、記事をリリースしています。
監査法人トーマツは2017年12月14日、企業のリスク管理を支援するクラウドサービス「リスクアナリティクス オン クラウド」を2018年2月に提供開始すると発表した。基幹システムのデータやPCの操作ログなどを利用して、組織/部門/従業員の不正や虚偽申告といった経営リスクを検知・分析する。「データを活用することで、網羅的で均質なリスクマネジメントが可能になる。リスク管理を担う人材不足にも対応できる」と同社の染谷豊浩ディレクターは話す。
引用元:不正や虚偽申告をクラウドでストップ、監査法人トーマツが新サービス(ITpro 2017年12月14日付)
記事によると、当初提供するアプリケーションは「子会社分析」と「経費・労務分析」の2種類とのことです。たとえば、経費・労務分析アプリケーションでは、交際費や接待費の不正使用といった従業員の経費不正などのリスクを検知できるそうです。
監査法人トーマツからニュースリリースが出ており、サービスに関する詳細な情報はこちらをご覧ください。
- 国内監査法人初、クラウドベースのリスク分析サービス「リスクアナリティクス オン クラウド」を2018年より提供開始(有限責任監査法人トーマツ 2017年12月14日付)
会計監査で培ってきたノウハウをたっぷり詰め込んだこのサービス。リスク管理部門に会計士を雇うのは負担が大きいけど、このサービスなら導入できるという企業も多いのではないでしょうか。
デロイトトーマツがM&Aマッチングサイト事業を譲受
- デロイト トーマツが株式会社ディスコよりマッチングサイト「M&Aプラス」事業を譲受(デロイトトーマツ 2017年12月8日付)
社長の高齢化と後継者不足で中小企業の事業承継問題が増加する中で、デロイトトーマツグループがM&A事業を加速しようとしています。
デロイトグループより、マッチングサイト事業の譲り受けに関するニュースリリースが出されています。
デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社は、株式会社ディスコが運営するマッチングサイト『M&A+(プラス)』事業を譲り受けることに関し、同社と事業譲渡契約を締結しました。
引用元:デロイト トーマツが株式会社ディスコよりマッチングサイト「M&Aプラス」事業を譲受(デロイトトーマツ 2017年12月8日付)
リリースによると、2017年12月31日予定の事業譲受で基盤を広げ、国内のM&A市場のさらなる活性化を目指しているとのことです。
デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社(以下、DTFA)は、M&A関連のアドバイザリーサービスも主力事業のひとつとしていますが、他BIG4系FASと同じくミドル~ラージサイズの案件を中心としています。
DTFAが中小規模のM&A領域に進出することによって、スモール~ミドルサイズのM&A案件にも取り組むのか、また、マッチングサイトということで、アドバイザリーだけではなく、仲介などにも進出するのかなど、注目が集まります。
(ライター 大津留ぐみ)