スポーツの経済学:PwC、リオ五輪メダル獲得数のベンチマーク分析を実施【PR】



【本記事はPwCあらた監査法人様からのプレスリリースです】

  • ブラジルは開催国の強みを享受できる見込み
  • 経済規模がメダル獲得数に大きく影響するが、「小が大を制する」可能性も
  • 英国は開催国メリットを失うものの、前回同様4位の予想
  • 2016年も、米国と中国がメダル獲得のトップ争いを展開

2016年6月16日
PwC Japanグループ

*本プレスリリースは、2016年6月2日にPwC英国法人が発表したプレスリリースの翻訳です。英語の原文と翻訳内容に相違がある場合には原文が優先します。

リオデジャネイロでの2016年のオリンピック開催が迫り、今回もまた、各国のメダル獲得数の予測が注目され始めました。PwCのエコノミストも、2016年オリンピックの成果を測るベンチマーク作成に着手しました。

過去のオリンピックにおいて各国が獲得したメダル数を説明する際、以下の経済的要素および政治的要素が統計的に有意であることが明らかになっています。

  • 経済規模(購買力平価換算のGDPで測定)
  • 過去2回のオリンピックの成績
  • 開催国かどうか

一般的にメダル獲得数は、国の人口や経済的豊かさに伴って増加します。ただし、ジャマイカやケニアのような例外もあります。例えばジャマイカは、リオ五輪でGDP10億ドル当たり0.4個のメダルを獲得すると予想されていますが、同じ指標で比較すると、英国とロシアは0.02個、米国と中国は0.005~0.006個になります。

PwC英国法人のチーフエコノミスト、ジョン・ホークスワース(John Hawksworth)は、「オリンピックの舞台では、時には小よく大を制すという場面もありますが、米国、中国といった超大国がメダル獲得競争を制する状況は続くでしょう」と述べています。

以下は、PwCモデルによるリオ五輪メダル獲得数上位12カ国の予測を示すもので、2012年のロンドン五輪との比較表になっています。対象全30カ国の順位については、本プレスリリースの後半に掲載しています。

国名 2016年リオ五輪
メダル獲得数
(予想)
2012年ロンドン五輪
メダル獲得数
増減
1.米国 108 103 5
2.中国 98 88 10
3.ロシア1 70 81 -11
4.英国 52 65 -13
5.ドイツ 40 44 -4
6.オーストラリア 35 35 0
7.フランス 34 34 0
8.日本 33 38 -5
9.韓国 27 28 -1
10.イタリア 26 28 -2
11.ブラジル 25 17 8
12.ウクライナ 20 20 0

過去の大会における成績も重要です。過去の成績には、その国の伝統的に強いスポーツや、政府がオリンピックにどれだけ資金を投入しているかが反映されています。ホークスワースは「最近の中国にはこうした影響が見てとれます。北京やロンドン五輪で中国が良い成績を収めた背景には、政府の支援が大きく貢献しています」と述べています。

PwCモデルから得られた興味深い結論には以下のようなものがあります。

  • PwCモデルによると、獲得数トップは引き続き米国で、獲得数はロンドン五輪より多少増加する見込みである。2位も前回と同様中国となるであろう。
  • 前回の開催国であった英国は、ロンドン五輪並みの際立った成績を上げるのは難しそうだが、PwCモデルでは、前回同様の上位となる、4位と予想している。メダル獲得の可能性が特に高い種目を慎重に絞り込み、政府支援を集中させたことが功を奏すると見込まれる。
  • オリンピックでは、開催国が実力以上の成果を挙げるのが通例だが、リオ五輪におけるブラジルについてもそれがあてはまるだろう。最近、経済問題に悩まされているが、PwCモデルで算出したリオ五輪でのメダル獲得数は、ロンドン大会の17個から増加して25個程度になる見込みである。
  • 人口やGDPの規模に対してメダル獲得数の割合が低い国の中で、獲得数が多いのはインドである。リオ五輪でのインドのメダル獲得数は、ロンドンの倍の12個と予想される。
  • 全てのモデルは誤りの可能性を排除できず、また、個人が通常とは異なるパフォーマンスをする人的要素を十分に考慮することはできない。

以上

注記:

1. この予測は、ロシアの陸上選手の参加を前提に算出しています。参加の可否は6月17日までにIAAF(国際陸上競技連盟)が決定します。参加が許可されなかった場合、他国のメダル獲得数にも大きな影響を及ぼします。その場合、予測を変更する可能性があります。

2. PwCモデルによる2016年リオ五輪メダル獲得数の予測と2012年ロンドン五輪の実績。

国名 2016年リオ五輪
メダル獲得数
(予想)
2012年ロンドン五輪
メダル獲得数
増減
1.米国 108 103 5
2.中国 98 88 10
3.ロシア1 70 81 -11
4.英国 52 65 -13
5.ドイツ 40 44 -4
6.オーストラリア 35 35 0
7.フランス 34 34 0
8.日本 33 38 -5
9.韓国 27 28 -1
10.イタリア 26 28 -2
11.ブラジル 25 17 8
12.ウクライナ 20 20 0
13.カナダ 17 18 -1
14.オランダ 17 20 -3
15.スペイン 17 17 0
16.キューバ 16 15 1
17.ベラルーシ 13 12 1
18.ハンガリー 13 18 -5
19.インド 12 6 6
20.カザフスタン 12 13 -1
21.ケニア 11 11 0
22.ジャマイカ 10 12 -2
23.ニュージーランド 10 13 -3
24.ポーランド 10 10 0
25.イラン 8 12 -4
26.ルーマニア 8 9 -1
27.アゼルバイジャン 8 10 -2
28.チェコ共和国 8 10 -2
29.デンマーク 7 9 -2
30.トルコ 7 5 2
上位30カ国合計 771 801 -30
他の諸国 190 160 30
全参加国の合計 961 961 0

注:メダル獲得数(予想)は、モデルにより算出された数値を四捨五入していますが、各国の順位は四捨五入する前の数値に基づいています。

算出方法:2012年ロンドン五輪のメダル獲得数実績データを用い、プライスウォーターハウスクーパースのモデルによって算出しています。メダル獲得数実績は、大会後の獲得者の変更(薬物使用違反などによる)を反映したものです。当社では、2016年5月下旬までにオリンピック公式機関が行った変更をもって確定としています。また比較のため、リオ五輪とロンドン五輪の総メダル数を同数と仮定しています。

3. 本プレスリリースの情報は、PwC 英国法人による報告書「Economic briefing paper: Modelling Olympic performance」(英文)[PDF 861KB]からの抜粋です。本報告書は、2000年、2004年、2008年、2012年のオリンピック開催時に発表した同様の調査を更新したものです。

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引用元:スポーツの経済学:PwC、リオ五輪メダル獲得数のベンチマーク分析を実施



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