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本日、令和7年11月21日(金)、令和7年(2025年)公認会計士試験(論文式試験)の合格者が発表されました。
合格者の皆様、おめでとうございます!
また、今年惜しくも合格とならなかった皆様に関しましては、次回はきっと良い結果となりますよう祈っております。
さて、本記事では、毎年恒例、合格発表の内容を速報していきます。
まず、今年度の合格者に関する概要は下記の通りです。
>>公認会計士試験の過去20年以上にわたる合格率の推移や、全体の難易度分析についてはこちらのまとめ記事をご覧ください。
令和7年公認会計士試験 合格者の概要
【願書提出者数】 22,056名(昨年の21,573名から483名の増加)
【合格者数】1,636名(昨年の1,603名から33名の増加)
【合格率】 7.4%(昨年の7.4%から±0%)
【合格者最高年齢】54歳
【合格者最低年齢】16歳
【合格者の平均年齢】24.6歳
【合格者性別】男性1,244名、女性392名(合格者の女性比率24.0%)
●30歳未満(20代・10代)の合格者比率:89.1%
●大学(および短大)在学中の合格者比率:39.9%
合格者数と合格率
合格者数は1,636名と増加、合格率は昨年同様7.4%
本年の公認会計士試験(論文式)における合格者数は1,636名となりました。また、合格率は7.4%でした。
この結果は、昨年と比較すると、合格者数は33名の増加となり、合格率は昨年と同率となっています。
合格者数に関しては、平成27年(2015年)に1,051名で底を打って以来、徐々に増加し、一時期は1,300名台で推移していましたが、昨年は1,603名、今年は1,636名となりました。直近15年ではもっとも大きい数字となっています。
また、合格率は近年は7%台で推移しています。受験者数が増えていることから、合格者数も増えているものの、合格率が下がり、ここ数年は難易度が高い状況が続く結果となっています。
【図1:直近22年間の合格者数と合格率】
※クリックすると拡大します。
願書提出者数
会計士志望者は10年連続で増加!!
本年の願書提出者の総数は22,056名でした。
本年は昨年の21,573名と比較して483名の増加となっています。
かつての不人気が嘘のように、願書提出者の総数は右肩上がりで増加し、今年で10年連続の増加となります。
一方で、合格者数の増加は限定的であるため、志望者が大きく増えたものの、合格率は先述の7%代で推移しており、試験の難易度が上がっているのが見て取れます。
【図2:直近23年間の公認会計士試験 願書提出者数の推移】
※クリックすると拡大します。
合格率と平均年齢
合格者の平均年齢は24.6歳!昨年に続き24歳台と低年齢化は継続
本年の合格者は、25歳未満が62.8%を占め、平均年齢が24.6歳、大学在学中の合格者の比率が39.9%となっています。
【図3:直近18年間の公認会計士試験 合格者平均年齢の推移】
【図4:直近21年間の公認会計士試験 大学(および短大)合格者数・比率の推移】

合格者の平均年齢は、5年連続で25歳を切っており、また、合格者の約4割の39.9%が大学(および短大)在学中と、近年の公認会計士試験のトレンドを継続して若い年齢での合格者が多い状況となっています。
本年と昨年の比較(昨年→本年)
- 合格者の平均年齢:24.6歳 → 24.6歳
- 合格者最高年齢:54歳 → 54歳
- 合格者最低年齢:17歳 → 16歳
- 30歳未満の合格者比率:88.7% → 89.1%
- 大学(および短大)在学中の合格者比率:37.7% → 39.9%
一方で、「大学(および短大)在学中」の合格者比率は、直近3年では下記のように低下しています。
令和4年(2022年):44.1%
令和5年(2023年):42.2%
令和6年(2024年):37.7%
令和7年(2025年):39.9%
かつては、大学在学中合格者は非常に稀な存在でしたが、近年では合格者のうち約4割を占めるなど、決して珍しくない状況となっています。
試験合格者に占める女性人数・比率
女性合格者数は今年は392名、女性比率は24.0%
試験合格者に占める女性人数と女性比率の推移は以下の通りです。
今年は、女性392名が合格、女性比率24.0%となりました。
【図5:直近19年間の合格者に占める女性人数と女性比率の推移】
※クリックすると拡大します。
今年は昨年の22.4%から微増し、24.0%となりましたが、長期トレンドで見ると、近年は20%台で継続的に推移してきています。
女性合格者の総数に関しては、392名と今年も300名を上回る結果となりました。
近年は、300名以上の女性合格者が安定的に輩出される状況が続いており、本年も過去16年で最も多い合格者数となっています。また、監査法人を始めとした会計業界全体においても、女性が勤務しやすい環境が以前よりも整ってきており、大手監査法人の経営陣や上場企業の監査役などにも女性会計士を目にすることは多くなりました。
一方で、女性の合格者比率は長年20%代前半で推移しており、ほぼ横ばいの状況です。
女性会計士の状況は以前よりも向上しているものの、今後、会計業界のジェンダーバランスをより改善していくためには、さらなる女性の受験者や合格者の増加が必要なのかもしれません。
監査法人の採用・合格者の就職活動
今年の合格者は新世代!?変化の真っ只中、生成AIの台頭、会計士の未来は?

会計士試験に合格された方々は次は就職が気になるところかと思います。業界全体としては、法人や部署によって多少の差異はありつつも、中小~大手まで監査法人業界全体で採用ニーズは引き続き高い状況にはありそうです。
一方で、ここ数年は合格者数が1,400~1,600名で推移するなど、BIG4監査法人の定期採用(論文式試験の合格者採用)の総数*を超えている状況です。
*4法人合わせて1,200名程度が上限ではないかと推測。
監査法人やクライアント企業でもAIの導入や作業のデジタル化・自動化が大きく進んでおり、また、生成AIもものすごいスピードで進化しており、AGI(Artificial General Intelligence/人工汎用知能)が2030年代前半にも実現するのではとも言われています。
そう考えると、5年後、10年後の監査や会計業務、また、公認会計士のみなさんのキャリアも現在の上の世代が辿ってきたものとは大きく異なるものになっているかもしれません。予測できない未来を目の前にすると、不安も大きいかもしれませんが、逆に先行者がおらずチャンスでもあります。そういった機会を活かし、今年の合格者の皆様が充実した会計士キャリアをスタートされることを祈念しています。
あらためて試験勉強お疲れ様でした&合格おめでとうございました!
※本文中のデータは金融庁の「令和7年公認会計士試験 合格者調」「令和7年公認会計士試験の合格発表の概要について」を参考に作成。
※願書提出者数、合格者数、合格率等、本文中の数字は短答式試験みなし合格者、旧第2次試験合格者を含んだ数字で算出しています。



































