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M&Aの歴史を踏まえた業務効率化と人事制度の構築
エム・エフ・リビングサポート株式会社は三井不動産レジデンシャルサービス株式会社のグループの一員であり「くらしを見つめて、私たちにしかできないことを。」をステートメントにマンション管理事業を展開しております。
案件概要
課題
- 業務改善に伴う人事領域のBPO先再検討と内製化実現によるBPOコスト削減
- 人事制度の再構築
実施サービス
- 業務改善に伴うBPO先再選定と一部内製化
- 人材ビジョンを取り入れた人事制度再構築
効果
- 業務改善:委託範囲を絞ることで委託費用の削減を実現
- 人事制度再構築:会社の理念・ビジョンに即した等級・報酬・評価制度の導入 運用の定着
お話しを伺った方
エム・エフ・リビングサポート株式会社 取締役
藤井様
管理部
森 様
三井不動産レジデンシャルサービス株式会社 人事部
木村 様
ご担当者の声
依頼背景
合併の歴史により出来た業務の不都合と人事制度の刷新を目指す
GWP 山本
本日は「BPO先再選定/内製化プロジェクト」と「人事制度(等級・報酬・評価)再構築プロジェクト」を2つ実施してから約1年程度経ちましたので、その後の状況についてお伺いできればと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
まずは本プロジェクトの依頼背景についてお聞かせください。
木村様
2020年3月にエム・エフ・リビングサポート(以下MFL)が親会社である三井不動産レジデンシャルサービス(以下レジサ)の本社に移転する際、MFLからレジサへ人事部領域の業務の引き継ぎが行われました。
それと同時期に、業務委託内容の見直し(効率化、費用の削減等)について検討に着手することになりました。
森様
MFLは営業主体の企業であることから、人事、総務、経理などのアドミニストレーション機能が十分でないこともあり、多くの業務を外部委託に頼らざるを得ない状況にあったため、外注費用が高額になっていました。
さらに業務の全容が十分に把握されておらず、また、合併前に使用されていたシステムを継続して利用していたため、本来内製化すべき業務と委託を継続すべき業務の判断や、業務の切り分けが非常に難しい状況でした。
また、人事制度(等級・報酬・評価)に関しても複雑化しており、再構築が必要となっていました。
藤井様
今のMFLの形になるまでに、様々な会社と合併を繰り返してきたため、人材の適切な活用や業務効率化において、障害となっておりました。
森様
人事制度が複雑な制度になったのは、社員への不利益変更が発生しないように統合してきたことに起因しています。例えば合併された各社の給与テーブルを便宜的につなぎ合わせて設定していたこともあり、昇格に多くの時間を要するなど社員のモチベーションを向上させることが難しい状況にありました。
木村様
以上の2点の<①BPO先再選定および内製化 ②人事制度(等級・報酬・評価)再構築>改善に向けて動き出す必要がありました。
支援結果
コスト大幅削減 BPO先再選定と内製化について
GWP 山本
一度目の調査でコスト削減余地とその方向性(既存システムの変更を踏まえた業務の一部内製化)についてご報告しましたが、その後の結果についてはいかがでしたか。
森様
GWPより提案を受けて、改めて詳細に調査していただき、提案内容を実行することで、元々の外注費用を大幅に削ることができました。
実現したい構想はあったのですが、GWPとの調査や打合せを重ねていく中で実現可能な対応が選べたと思っています。そうした判断が出来たのはGWPのしっかりとしたタスク管理と、決定ポイントを提示しながら進むプロジェクトマネジメントがあったからだと思っています。
アドミニストレーション業務をほとんどすべて外注していたので、業務範囲を絞るポートフォリオを作成した時に、本来は内製化した方が良いもの、いらないものなどを切り分け、一つずつ掘り下げていきました。
中には本当に内製化すべきか悩んだ部分もあったのですが、無駄のない業務にそぎ落とし、かつ自社でのシステムの保有を辞め、外部委託先のシステムへ移行することにいたしました。GWPから持続可能な業務体制の構築を踏まえた内製化といった視点でアドバイスいただいていたので、今もスムーズに運用しております。
営業主体の会社特徴を活かした人事制度再構築
GWP山本
人事評価制度においては人材ビジョンの構築から伴走させていただきましたが、MFLらしさをどのように制度に反映しようと思いましたか。
森様
人材ビジョンとしてワンストップオペレーションを会社の強みとして捉え、当社のステートメントである「くらしを見つめて、私たちにしかできないことを。」を進めていけるような要素を人事評価制度の中に盛り込みました。
藤井様
グループ会社のレジサは大きな会社なので、フロント部署とその補助をする部署といった形で各部署の棲み分けができています。一方、MFLは1人のフロントマンが多くのことに対応でき、お客様に対してワンストップで様々なサービスを提供することができます。
したがって、1人のフロントマンの習熟度が高いことが当社の特徴だと思います。お客様に対するサービス提供には、ある程度深追いはできない部分もあるのですが、MFLは深いところにまで入り込める。そういったMFLらしさを制度設計に入れてもらうこと、さらにお客様にとって頼りになるベテランフロントマンにも納得感のある制度設計にしたいと考えておりました。
管理職に対抗できる営業職に向けたキャリアプラン
森様
新しい制度の特徴として、管理職コースのほかにエキスパートコースを新たに用意しました。営業主体の会社という特性を活かして、管理職と同等のキャリアの選択が可能です。エキスパートコースを選んでも、途中からコースを変更できるため、管理職を諦める必要はなく、多様なキャリアの選択ができるようになっています。
藤井様
以前は、頑張っても給与や昇級の変化を感じにくい制度でしたが、新制度は実力を反映した給与や昇級体制になりました。社員の頑張りに応じたわかりやすい設計になったと思います。
エキスパートコースへ進んだ社員が、管理職に興味を持つようになったことは、人事制度が明確になりキャリアパスを明示することができたという点で大きな成果となりました。また、実際に1年運用してみて意欲のある社員はプラスに働くようになり、自身のモチベーション向上に繋がっているように感じています。
森様
以前の管理職の報酬制度は、複数年評価の平均を反映する洗替制度だったので、単年評価が反映される制度に移行した点は、苦労しましたね。慣れない作業でしたが、GWPからしっかりとした情報提供と課題の整理があり、着実に進めることができました。また、エキスパートコースは、レジサにはない制度だったので、その説明には特に時間がかかりました。制度の意義を納得していただくための説明資料など、多くをGWPに相談させていただきました。その度に説明や資料を工夫してくださり、親身な対応はとても助かりました。
今後の展望
藤井様
業務の内製化は定着しスムーズに運用できています。また、BPOコスト削減もできました。
人事制度はこれから育っていく部分であると思います。具体的にはエキスパートコースや管理職コースのコース間の転換の事例が増えれば、新たなキャリアモデルの創出になると考えています。
今までは職人気質の社員は管理職になれないような印象があったので、それを払拭していきたいです。
新しい制度を通じて、評価する側、される側の意識改革を実施していきたいですね。
木村様
GWPのような親身に寄り添ってくれる会社は、なかなかないと思います。
成し遂げたい目標に向けて柔軟に協力してくれる、人柄の温かさがありました。また、説得力のあるデータや的確な提案など、判断材料をしっかり揃えていただきましたので、当社として自信をもって判断することができました。
一緒に作り上げてきた感覚がありますね。
担当が変わる、制度が古くなる、この先そういった時がきますので、その際はGWPからアフターサービスとして、時々情報交換をしていただき、制度の見直しに関する提案をいただけたら嬉しいです。
*PMIとはPost Merger Integrationの略で、M&A後の両社の経営方針や業務ルール、情報システムや社員の意識などを融合するプロセスのことを指します。
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