会社の成長を支える精緻な原価管理体制の構築と情報の一元管理を実現
株式会社オプティマインド
「世界のラストワンマイルを最適化する」をビジョンに掲げ、「アルゴリズム」や「データ分析」に強みを持ち、ラストワンマイル配送のルート最適化サービス「Loogia(ルージア)」を提供。 Loogia(ルージア)は、「どの車両が、どの訪問先を、どの順番で、どういうルートで」訪問するのが最適なのかという「配車計画」の精度に強みを持ち、運送会社のみならず、大手荷主企業にも提供を進めています。
https://www.optimind.tech/
課題
- 会社の成長を見据え、精緻な個別原価計算が必要だった
- システム化することで、業務の標準化と効率化を目指していた
結果
- 精緻な個別原価計算を行えるようになり、監査に耐えうる原価管理体制を実現
- システム化により、業務の標準化と効率化の足掛かりに
- 周辺システムとの連携もスムーズで、情報の一元管理に成功
会社の成長を見据え、個別原価計算と工数管理に着手。周辺システムとの連携で情報の一元管理を実現
「世界のラストワンマイルを最適化する」というビジョンのもと、ラストワンマイル配送におけるルート最適化サービスの開発、提供をしている株式会社オプティマインド。将来を見据え、精緻な原価計算が必要だと考え、マネーフォワード クラウド個別原価を導入。もともと導入いただいていたマネーフォワード クラウド会計Plusと連携することで、個別原価を含む情報の一元管理を実現した同社に導入時の背景や導入後の効果を伺いました。
将来を見据えた精緻な個別原価計算と、最適な経営判断を行うための工数管理が必要だと考えていました。
――まずは、貴社の事業概要についてお聞かせください。
林様:当社は「世界のラストワンマイルを最適化する」というビジョンの実現を目指し、ラストワンマイル配送におけるルート最適化サービスの開発と提供を行っています。当社が提供している走行データ学習型配車システム「Loogia」は、複数のドライバーが多拠点に配送する際、どうやって誰がどこに配送するのかという全体最適を自動で計算してくれるシステムです。「Loogia」はアルゴリズムやデータ分析を基盤としてサービスを展開していることから、高精度な経路探索で「ズレない配車計画」を作ることができるところが一番の強みとなっています。「Loogia」の計画通りに配送を行えば、ほぼ計画通り、ズレが生じたとしても10〜15分程度で配送を完了することができます。自社内のエンジニアが過去のデータ分析や独自のアルゴリズムを開発することで、このようなサービスを実現しています。
――林様のお役割や経理財務領域の体制についてお教えください。
林様:わたしは大学卒業後、監査法人で約4年勤務し、そのあとオプティマインドに入社しました。担当している業務は管理業務全般で、バックオフィス全体を幅広く統括しています。バックオフィスを担っているコーポレート部の中に経理財務領域と人事労務領域のチームがあり、全体では正社員・派遣社員を含めて6名の体制になっています。経理財務領域は正社員1名、派遣社員2名で対応していますが、派遣社員2名が日々の登録や申請を行い、わたしの方で承認するというフローになっています。人員が限られていることもあるため、わたし自身も実務を行っていて、主に売上、原価計算やソフトウェアの資産計上といったところを担当しています。
現在、会社の規模は着実に拡大していますが、コーポレート部は少数精鋭で運営しているため、まずは「事故のない日常業務」をコーポレート部全体の目標としています。そのために業務をリスト化したり、マニュアルを整備して運用することなど仕組みで事故の起きにくい体制構築にも注力しているところです。また、日々の業務に加え、法改正などにも対応する必要があるため、事前の準備をしっかりしてスムーズに対応できるような体制も目指しています。
――原価計算のシステム化を検討された背景についてお聞かせください。
林様:もともと原価計算自体は簡略的にやっていましたが、今後の会社の成長のためには高度化を図っていく必要があると感じていました。単純に仕訳を起こすためだけであれば、表計算ソフトでも対応可能ですが、そうすると収集する情報に過不足が発生する可能性が高く、将来的に「この情報も必要だった」ということが発生してしまうと考えました。そのため、早い段階でシステム化し、そのシステムに適応する形で業務フローを構築することで、将来を見据えた情報の収集・登録ができると思い、このタイミングでのシステム化を決断しました。また、業務の標準化という面でもシステム化した方が属人化を防ぐことができ、業務効率化にもつながると思いました。
――システム選定において重要視したポイントについてお聞かせください。
林様:システム化するにあたっては、正しく正確に個別原価を把握し、監査に耐えうる原価計算を行うということを一番の目的としてシステム選定を開始しました。その際に、原価計算だけでなく、工数管理もあわせて行っていった方が良いのではないかと考えていたため、その両方を満たすシステムを探していました。そのような観点で、他社システムも含めて検討していたのですが、「原価計算が強いシステム」か「工数管理が強いシステム」か、どちらかを強みとするシステムが多いと感じました。そこで、優先順位を改めて考えてみたところ、原価計算は会計とつながるところでもあり、当初の目的を果たすためにも「原価計算が強いシステム」を優先することにしました。会計システムはマネーフォワード クラウド会計Plusを利用しているため、そことの連動性や情報の粒度の統一という面でマネーフォワード クラウド個別原価を導入することに決めました。会計システムと原価管理システムを別々の会社のシステムにすると、どうしても情報の粒度が異なるなど、困ることが発生すると思うので、そこは統一しておいた方が良いと考えました。
また、比較検討をしていたもう1社のシステムは、データ連携やcsv取り込みができず1件1件手入力していく形だったため、人的ミスが発生するリスクがありましたし、ミスが発見された場合のリカバリーにも非常に大きな工数がかかることが容易に想像できました。会計ソフトと連携できないため、勘定科目などマスタの整合性を担保できないという点でも「監査に耐えうる原価計算」の実現は難しいと感じました。その点、マネーフォワード クラウド個別原価であれば、マネーフォワード クラウド会計Plusと連携でき、数字やマスタの整合性を担保できるだけでなく、数字の修正が発生した際もリアルタイムに反映できる点で安心できると思いましたね。
――工数入力は現場のメンバーが触れるシステムになりますが、どのような点を重要視しましたか。
林様:工数入力は毎日触れるシステムになるため、まずは毎日触れたくなるようなデザインであることは大切な要素の一つだと思っていました。当社もITサービスを作っている会社になりますので、見た目が悪いとそれだけでげんなりしてしまうと思ったからです。加えて、いかに入力の手間を削減できるかというところがポイントになりました。営業メンバーも開発メンバーもよく使う内容は限られているため、その登録やコピーといったことができれば、機能としてはそこまでリッチでなくても良いと考えていました。もちろん他社の「工数管理が強いシステム」にはさまざまな機能がありますが、必要最低限の機能があればそれで運用していけるという話しになりました。
あとは、そもそもの話しになりますが、「工数管理の重要性」を社内に浸透させることにも注力しました。現状では一つの機能を開発するためにかかった費用を正確に把握することができず、利益管理やこれからどのように利益を拡大していくのかという検討が難しい状態でした。そこで、今後の事業成長にとって工数管理がいかに必要なことかを問題提起することで、導入を進めていったという背景もありました。
――最終的にマネーフォワード クラウド個別原価をご導入いただいた決め手を教えてください。
林様:会計ソフトと同じ粒度で個別原価管理ができ、一定のルールを決めれば原価計算に必要な情報がしっかりクラウド上に収集できるという安心感が決め手になりました。
また、実際に営業の方とお話しさせていただき、これまでのノウハウをもとに、論点になりやすい部分やどのように会計に戻すのかといったところまで想定をして、運用構築の提案をしてくださったことも非常に助かりました。これは会計と個別原価、両方のサービスを提供しているからこそ、連携を意識した提案をいただけたと思っています。また、そこまで意図してサービス設計されていると感じられた点も安心感につながりました。開発の方とお話しさせていただいた際にも、こちらの実現したいことがちゃんと伝わっている感覚がありましたし、今後も一緒に成長していけると感じた点も決め手の一つとなりました。
導入後のサポートの面では、不明点を質問すればすぐに回答をもらえ、負担感なく導入することができました。わたしの場合はこれまでの経験上、原価計算自体の「どのように計算したら良いか」という部分については一定理解しているため、システムの仕様に関する質問が中心でしたが、原価計算自体のロジックなどを質問しても教えていただけるんだろうなと感じました。
マネーフォワード クラウド会計Plusを中心に、個別原価を含めた情報の一元管理を実現。
――会計システムについては、もともとご利用いただいていたマネーフォワード クラウド会計からマネーフォワード クラウド会計Plusに移行していただきましたが、システム変更を検討された背景について教えてください。
林様:内部統制の強化が一番の目的でした。マネーフォワード クラウド会計には特に不満がなかったため、使い勝手はそのままに、承認機能と月次締めができるといった点で内部統制強化を実現できると感じ、移行を決めました。マネーフォワード クラウド会計Plusに移行したことで、プロジェクト管理もできるようになったため、その点でも移行して良かったと思っています。また、データの移行もスムーズに行うことができました。
そのような理由でマネーフォワード クラウド会計Plusに移行する際には他社比較はしませんでしたが、最初にマネーフォワード クラウド会計を導入した際は、複数社のクラウド型システムと比較検討を行いました。複式簿記に則った仕訳登録ができるという点やAPI連携している先が多いことが決め手となり、マネーフォワード クラウド会計を導入しましたね。
――実際にマネーフォワード クラウド会計Plusとマネーフォワード クラウド個別原価を導入してみての感想をお聞かせください。
林様:マネーフォワード クラウド会計Plusをハブとして、個別原価も含めた情報の一元管理ができています。他社の周辺システムとの連携もスムーズなので、非常に役立っていますね。今はまだ多少の手作業も残っていますが、将来的にそこもシームレスに連携できるようになると期待しています。また、原価計算のロジックについても、工数比率を計算して各部署に振り分けるということができるので、これまでは手作業で対応していましたが、改善されています。
IT企業だからこそ、システマチックで効率的なバックオフィス体制を作り上げていきたい。
――今後の展望についてお教えください。
林様:IT企業だからこそ、経理財務領域だけでなく、人事労務領域、法務、総務を含めてバックオフィス全体を積極的にシステム化して、業務の効率化を図っていきたいと思っています。これから会社の規模が大きくなっても、やみくもに人員を増やすのではなく、業務効率化することで必要最低限の人員でバックオフィスを支えられるような体制の構築を目指しています。
また、月次決算も今は目標としている5営業日で締めることができていますが、今後は原価計算や資産計上も含めて5営業日で締められるよう、最適化していきたいと思います。
――最後にマネーフォワード クラウド個別原価の導入を検討されている方々に向けて、メッセージをお願いいたします。
林様:やはり原価計算が正しくできないと、正しい財務数値を収集することができないため、会計システムの情報の粒度と同じ粒度で原価計算できるというところが一番のおすすめポイントです。
また、マネーフォワードのシステムは他社システムとのデータ連携にも柔軟に対応できるような設計をされているため、要件にマッチしたシステムだけを個別に導入してもきちんと連携できるという点もメリットだと思います。なかなかすべての要件を満たすシステムを見つけるのは難しいですが、マネーフォワード クラウドの場合は必要なシステムだけを導入し、その他の周辺システムと連携して利用できるため、各社に合ったバックオフィス体制構築を実現してくれるのではないでしょうか。
IT企業が会社として成長していくにあたって、原価計算は非常に重要な項目になってくるため、会計システムとの連動というところを意識してシステム選定されることも有効なのではないかと思っています。
引用元:会社の成長を支える精緻な原価管理体制の構築と情報の一元管理を実現 – 「マネーフォワード クラウド個別原価」導入事例