PwC Japan、「第20回世界CEO意識調査 日本分析版」を発表【PR】

  • 2017/4/19

【本記事はPwCあらた有限責任監査法人様からのプレスリリースです】

‐日本のCEO、世界のCEOに比べ変化に慎重な姿勢が明らかに

2017年4月19日
PwC Japanグループ

PwCの調査によると、日本のCEOは世界と比較して以下の傾向が顕著に

  • 自社の成長に対する見通しは低下、一段と慎重に
  • デジタルおよびテクノロジーの能力を最も重視するCEOは4%、世界最低水準
  • 機械化の加速が見込まれるも、4割のCEOは人員を拡大する見通し
  • 信頼を揺るがすリスクに対する意識は世界最高レベル
  • 4割がグローバリゼーションは格差是正に寄与せずと回答

PwC Japanグループ(グループ代表:木村 浩一郎)は4月19日、「第20回世界CEO意識調査 過去20年におけるCEOの意識変化 未来をどう描くか?」の日本分析版を発表しました。2017年1月にPwCが発表した調査から、日本企業のCEO110名の回答に焦点を当て、世界全体や他地域と比較を行い、日本企業が置かれている状況や今後の課題について考察したものです。

本調査レポートはhttp://www.pwc.com/jp/ceosurveyに掲載しています。

自社の成長への見通しは低下

日本のCEOに、自社の成長の短期的な見通しについて聞いたところ、「非常に自信がある」との回答は昨年28%から14%に半減しました【図表1】。中期的な見通しに対する強い自信も33%から21%に大幅に低下しており、国別のデータ比較においても日本のCEOの慎重な姿勢は際立っています【図表2】。

自社の成長にとって最も重要な国として、日本のCEOの回答は米国(本年61%、昨年55%)と中国(同58%、45%)への集中が高まる一方で、アジアの新興国に対する関心が低下しています。その顕著な例として、タイは昨年28%から本年17%に低下しました【図表3】。また、昨年8位(11%)であったドイツは10位圏外(6%)になり、韓国が一昨年来10位圏内に入りました。

デジタルやテクノロジーから遠い日本のCEO

CEOが今後最も強化すべきと考える分野について、世界、日本のCEOともに最も多く回答が集まったのは「イノベーション」でした。一方、2位以下を見てみると、世界では「デジタルおよびテクノロジーに関する能力(15%)」と「人材(15%)」が同率2位となったものの、日本では「人材(30%)」と「競争上の優位性(17%)」の割合が高く、「デジタルおよびテクノロジーに関する能力」を挙げたCEOは全体の4%にとどまりました【図表4】。地域別に見ても、日本のCEOの「デジタルおよびテクノロジーに関する能力」の回答割合は最低水準となっています。

また、CEOの個人的な習慣などに関する質問においても、日本のCEOのデジタルに関するスキル、ホームオートメーションシステム、ロボティクスなどのテクノロジーの使用経験に対する回答は他地域のCEOに比べて圧倒的に低い結果となりました。新しいテクノロジーに関する個人的な使用経験がないことが、日本のCEOにとってデジタルおよびテクノロジーが最優先課題に挙がらない一つの要因となっている可能性は否定できないでしょう【図表5】。

機械化が加速するも、人員規模は拡大の見通し

機械化による雇用への影響を踏まえ、CEOに対して、今後12カ月における人員規模について聞きました。結果は事前の予想に反し、規模の縮小を見込んでいる日本のCEOは7%(世界16%)とごくわずかで、逆に4割(世界5割)程度が人員規模の拡大を見込んでいることが明らかとなりました【図表6】。

人事政策について聞いたところ、世界、日本のCEOともに共通して、「ダイバーシティ&インクルージョン(人材の多様化)を促進する」、「将来必要となるスキルや雇用体系を踏まえた人事政策の見直しを行った」、「適材適所に人材を配置する」、「年齢層や出身地域に関係なく優秀な人材を確保する」との回答が上位にランクインしました【図表7】。

世界のCEO、特に米国は、全体の8割が「社内のラーニングプログラムにデジタル関連のトレーニングを追加した」と「社員の福利増進のためにテクノロジーを活用する」と回答する一方で、両項目ともに日本のCEOの回答は半数程度です。ここでも日本のCEOにとって「デジタル」と「テクノロジー」は世界に比べて関心を集めてはいない状況が垣間見えます。

信頼を揺るがすリスクに対する意識は世界最高レベル

近年のテクノロジーの急速な発展、とりわけデジタル化が進行し、「コネクテッド」が新しい基準となる世界においては、信頼の獲得と維持がこれまでとは大きく変化してきています。SNSの普及によって、今や誰もが企業に関する批評を行うことができ、インターネット上で発信される真偽が定かではない情報によって企業の信頼が損なわれるような事態も発生しています。

今後5年間において、ステークホルダーとの信頼感にマイナスの影響を与える要素について聞いたところ、世界のCEOの半数程度が「プライバシーの保護や倫理に反する行為(55%)」、「サイバーセキュリティ上の欠陥(53%)」、「ITシステムの機能停止や混乱(47%)」について「相当な影響がある」と回答しました。しかし、日本のCEOが上記と同じ要素に「相当な影響がある」と回答した割合は突出しており、信頼を揺るがすリスクに対する意識は世界最高レベルであることが分かります【図表8】。

グローバリゼーションは格差是正に寄与せず

日本を含む世界の多くのCEOは、グローバリゼーションは「世界的なコネクティビティの拡大」と「資本、ヒト、モノ、情報の容易な移動」に大きな効果があったと考えています。加えて「高度な労働力の創出」と「インフラと基本的なサービスへのアクセス」についても一定の効果があったとの回答が多く見られました。
その一方で、グローバリゼーションが「全く貢献していない」との回答は、「富の格差の縮小」、「公平で調和のとれた課税制度」、「気候変動や資源不足の回避」において多く見られ、中でも格差の縮小についての否定的な回答は4割を超えました。

多くの企業にとって、今後も持続的に成長するためには、グローバル市場へのアクセスが欠かせません。しかし、そのアクセスを維持するためには、社会のステークホルダーとより広い範囲で積極的に協業し、解決策を提示することが求められています。

日本企業が世界で描く未来

テクノロジーの発展とデジタル化の進展は、今後ますます加速します。こうした流れは従来のビジネスモデルを破壊し、新たなエコシステムを次々と生み出すことになります。企業のCEOがこうしたテクノロジーとデジタル化の潮流を把握することはもちろん、CEO個人としても最先端のテクノロジーへの高い感度を持たなければこうした流れに乗り遅れてしまうでしょう。

一方で、テクノロジーやデジタルで武装した日本企業は、これまで以上の成長機会を手に入れるでしょう。日本企業が従来強みとしてきた「ものづくり」という領域は、比較的陳腐化しにくく、新たなエコシステムにおいても高い付加価値を提供できる可能性があります。

過去20年にわたり実施してきたCEO意識調査結果を踏まえ、PwC Japanグループ代表の木村 浩一郎は次のように述べています。

「調査を開始した20年前と比較して、世界がグローバリゼーションとテクノロジーによって大きな変貌を遂げる中、多くの人が20年前には予期していなかった種々の課題に直面しています。

パラダイムシフトに直面する世界を前提として、今回PwCが実施した第20回世界CEO意識調査で浮き彫りとなったのは、変化をリスクと同時にチャンスとして捉えている世界のCEOと、より慎重な見方を強める日本のCEOとの対照的な姿です。日本のCEOは、『デジタル』や『テクノロジー』といった変化に対して、世界のCEOよりも総じて関心が低いとの調査結果が出ており、世界とのギャップは一層際立っています。

社会の安定的な発展のために欠かすことのできない一般市民による社会への信頼について、企業がそれを創出するために社会に貢献できる範囲はますます広がっています。企業は、単に財とサービスの提供および雇用を生み出す主体にとどまらず、社会のより広範なステークホルダーとのかかわりを持つことで、社会の抱えるさまざまな課題解決を積極的に図るべきです。

多くの日本企業が自社の存在意義(Purpose)に据えてきた、社会の多様なステークホルダーとの共存共栄(『三方よし』の精神など)はまさにこれを範で示すものであり、日本企業のグローバル市場で果たすべき役割と期待はこれまでにないほど高まっているといえるでしょう」

以上

注記:

  1. この調査は2016年9月から12月にかけて実施されました。オンライン、郵送、面談、電話インタビューにより、79カ国1,379名のCEOから回答を得ました。非上場企業のCEOが57%、上場企業のCEOが43%でした。売上高別では、10億ドル米以上の企業のCEOが36%、1.01~9.99億米ドルの企業のCEOが38%、1億米ドル以下の企業のCEOが21%でした。

【図表1】今後12カ月の自社の売上の成長見通しについてどれくらいの自信をお持ちですか?

【図表1】今後12カ月の自社の売上の成長見通しについてどれくらいの自信をお持ちですか?

【図表2】今後3年間の自社の売上の成長見通しについてどれくらいの自信をお持ちですか?

【図表2】今後3年間の自社の売上の成長見通しについてどれくらいの自信をお持ちですか?

【図表3】あなたの会社の今後12カ月間の成長にとって最も重要と考える国を3つ挙げてください(日本のCEOの回答、自社が拠点を置く国を除く、2013年~2017年調査)

 

 【図表4】現在の経営環境を前提に、新たな機会を活用するために以下のうち最も強化したい項目を一つ選んでください
 
【図表4】現在の経営環境を前提に、新たな機会を活用するために以下のうち最も強化したい項目を一つ選んでください

【図表5】ご自身のテクノロジー利用に関する以下の項目は、どの程度当てはまりますか?

 

【図表6】あなたの会社は今後12カ月間で、人員の増加、削減、あるいは現状維持のうち、どれを予想していますか?(日本のCEOの回答)
オートメーションやその他のテクノロジーの変化による人員削減への影響はどの程度あるとお考えですか?(上記質問で減少と回答したCEOに質問)
 

 【図表7】あなたの会社の人材採用に関し、以下の項目についてどの程度同意しますか?
 

 【図表8】以下の項目は、今後5年間であなたの会社の業績に対するステークホルダーの信頼にどの程度の悪影響を及ぼすとお考えですか?
【図表8】以下の項目は、今後5年間であなたの会社の業績に対するステークホルダーの信頼にどの程度の悪影響を及ぼすとお考えですか?

PwCについて
PwCは、社会における信頼を築き、重要な課題を解決することをPurpose(存在意義)としています。私たちは、世界157カ国に及ぶグローバルネットワークに223,000人以上のスタッフを有し、高品質な監査、税務、アドバイザリーサービスを提供しています。詳細はwww.pwc.comをご覧ください。

PwC Japanグループについて
PwC Japanグループは、日本におけるPwCグローバルネットワークのメンバーファームおよびそれらの関連会社の総称です。各法人は独立した別法人として事業を行っています。
複雑化・多様化する企業の経営課題に対し、PwC Japanグループでは、監査およびアシュアランス、コンサルティング、ディールアドバイザリー、税務、そして法務における卓越した専門性を結集し、それらを有機的に協働させる体制を整えています。また、公認会計士、税理士、弁護士、その他専門スタッフ約5,500人を擁するプロフェッショナル・サービス・ネットワークとして、クライアントニーズにより的確に対応したサービスの提供に努めています。

引用元:PwC Japan、「第20回世界CEO意識調査 日本分析版」を発表

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