2023年12月の会計士業界ニュースをお届けします。
今回紹介するのは、「『頂き女子りりちゃん』からマニュアル購入。公認会計士を目指した女性に懲役4年6ヶ月」「デロイトがWACC算出オンラインサービスを提供開始」の2本です。
「頂き女子りりちゃん」からマニュアル購入。公認会計士を目指した女性に懲役4年6ヶ月
公認会計士を目指していた21歳の女性が逮捕されました。
頂き女子りりちゃんから購入したマニュアルを使い詐欺を働いた女性に関する記事が、讀賣新聞オンラインからリリースされています。
恋愛感情を利用して男性2人から金をだまし取ったとして詐欺罪に問われ、懲役4年6月を求刑された被告の女(21)は29日、名古屋地裁の法廷で、ノートに書いた自分の思いを約25分にわたって読み上げた。
【引用元:「りりちゃんが私を救ってくれた」…公認会計士目指して勉強していた「頂き女子」、公判で思い語る(讀賣新聞オンライン 2023年11月30日付】
記事によると、被告は「頂き女子りりちゃん」のマニュアルに沿ってやったただけで犯罪の認識がなかったとのこと。今後は公認会計士と弁護士の資格を取りたいと述べたそうです。
詐欺罪で有罪になった法廷で、公認会計士や弁護士になりたいと将来の夢を語ったことに対して、違和感を覚えたのは私だけでしょうか。
デロイトがWACC算出サービスを提供開始
デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社は、M&Aニーズが高まる中、新たなサービス「Valuation Assist」の提供を開始しました。
M&A関連のオンラインサービス開始に関する記事が、日本経済新聞からリリースされています。
デロイトトーマツグループは12月から、M&A(合併・買収)で企業価値の評価などに使う「加重平均資本コスト(WACC)」を自動算出するオンラインサービスを企業に提供する。
【引用元:企業の資本コスト、初心者でも3分で計算 デロイト開発(日本経済新聞 2023年12月6日付)】
記事によると、このサービスではWACCの計算が初心者でも3分程度で処理できるようになるそうです。料金は3カ月で33万円、年99万円の定額制になると伝えられています。
デロイトトーマツではこのほか、2018年3月より、中堅・中小企業M&Aのマッチングプラットフォーム「M&Aプラス」のサービスも提供しています。
M&Aのニーズは高まる一方で、企業価値の算出を行う専門人材が不足しています。Valuation Assistはこの課題を解決するための一助として位置づけられていると見られます。WACCの計算の効率化が図れればその分専門家に対する報酬が下がり、この料金を払う価値があると考える企業も出てくるかもしれません。
今回取り上げたニュース
(著者:大津留ぐみ / 大津留ぐみの記事一覧)