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2026年2月28日(土)に、東京・茅場町にて第17回 公認会計士ナビonLive!!が開催されます。
イベントに先立ち本記事では、2025年9月27日(土)に「~公認会計士と専門スキルの選び方~」をテーマに開催された第16回 公認会計士ナビonLive!!より、トークセッション「PEファンドと会計士の独立」の様子をお届けします。
本セッションに登壇いただいたのは、リゾルトパートナーズの小野宗則さんです。同社はアドバイザリー事業と同時に「事業承継投資」にも注力している珍しい会計事務所。これは小野さんがPEファンドの出身であることも大きく関係しているようです。
PEファンドでの経験が今の事業にどう活きているのか。PEファンドが求める会計士像とは。公認会計士ナビ編集長の手塚佳彦が小野さんに聞きました。
※本記事の登壇者の肩書・経歴等はイベント登壇時のものになります。
※本記事の内容は公認会計士ナビにてセッションでの発言内容に編集を加えたものとなります。
本記事の目次
PEファンドを経て、アドバイザリーと事業承継投資で独立
手塚(公認会計士ナビ):本セッションは「PEファンドと会計士の独立」をテーマに掲げ、リゾルトパートナーズの小野さんにお話を聞いていきます。
同社は一般的なファームとは異なり、アドバイザリーと投資という2つの事業を行っている点に特徴があります。
また近年、若手会計士は「独立したい」「フリーランスになって自由に活動したい」という方が非常に多くなっているものの、一方で小野さんは「早めに100人体制にしたい」と、独立当初から拡大志向をお持ちです。
小野さんはこれまでイベントなどに登壇されたことはないということで、本日がリゾルトパートナーズの「初出し」となります。本日は話を詳しく聞かせてください。よろしくお願いします。
小野(リゾルト):よろしくお願いします。リゾルトパートナーズ株式会社・リゾルト税理士法人で代表を務めている小野です。
リゾルトパートナーズは大きく分けて、アドバイザリー事業と事業承継投資事業を営んでいます。
アドバイザリー事業として主に手掛けているのは、M&AコンサルとPMIです。
また、その知見を活かし、我々自身も資金を拠出し、事業承継投資にも力を入れています。2025年から本格的に開始し、5月には長崎の警備会社の株式を譲り受けました。
税理士法人では、主に中堅・中小企業やスタートアップ向けに税務サービスを展開しています。
リゾルトパートナーズ株式会社 代表取締役
リゾルト税理士法人 代表社員
公認会計士・税理士
小野 宗則
2010年、公認会計士試験合格。監査法人トーマツにおいて、グローバルメーカー等の会計監査に多数従事。その後、2017年より同法人のタイ事務所に赴任。在タイ日系企業への監査業務の他、会計アドバイザリー業務(決算管理体制構築支援、IFRS導入支援等)にも関与。
2020年より、日系PEファンドに入社し、中堅中小企業へのプライベートエクイティ投資業務に従事。2件の投資(投資後の支援含む)・1件のExit含めた計4件の案件に関与。投資運用チームの副責任者として、案件開拓から投資実行、投資先支援に至るまでの業務に幅広く関与。PEファンド在籍中に、投資先の社外取締役にも就任(その投資先はその後スタンダード市場に上場)。2024年にリゾルトパートナーズを創業。リゾルトパートナーズ 代表取締役・リゾルト税理士法人 代表社員。
手塚(公認会計士ナビ):リゾルトグループを設立する前は、どのようなキャリアを歩んできたのでしょうか。
小野(リゾルト):2010年に会計士試験に合格し、トーマツからキャリアを開始しました。8年ほど在籍し、最後の2年間はタイのバンコク事務所に赴任して、アドバイザリーなどの監査以外の業務も経験しています。それで「監査以外もできる」という手応えを感じ、PEファンドに転職し、フロントメンバーとして4件ほどの投資や経営支援に携わりました。その経験を活かし、2024年1月にリゾルトパートナーズを設立しています。
手塚(公認会計士ナビ):創業が2024年1月なので、現在はそれから2年弱経ったところですね。グループ全体で従業員はどれくらいいるのでしょうか。
小野(リゾルト):リゾルトパートナーズで9名、税理士法人で4名の、合計13名体制です。
手塚(公認会計士ナビ):アドバイザリー業務のクライアントには、どのような企業がいますか?
株式会社ワイズアライアンス
代表取締役CEO/公認会計士ナビ 編集長
手塚 佳彦
神戸大学卒業後、会計・税務・ファイナンス分野に特化した転職エージェントにて約10年勤務。東京、大阪、名古屋の3拠点にて人材紹介・転職支援、支社起ち上げ、事業企画等に従事。その後、グローバルネットワークに加盟するアドバイザリーファームにてWEB事業開発、採用・人材戦略を担当するなど、会計・税務・ファイナンス業界に精通。また、株式会社MisocaのアドバイザーとしてMisoca経営陣を創業期から支え、弥生へのEXITを支援するなどスタートアップ業界にも造詣が深い。2013年10月、株式会社ワイズアライアンス設立、代表取締役CEO就任。
小野(リゾルト):端的に言うと、中堅・中小規模の企業です。私自身がPEファンド出身ということもあり、PEファンドやその投資先が多いですね。最近は東証グロースやスタンダードに上場している企業さまも増えてきました。
M&Aは、実行前のデューデリジェンスから始まり、バリュエーション、FA、PMI、経営支援まで一気通貫で対応しています。
手塚(公認会計士ナビ):投資事業に関しては、現在は1社に投資されているとのことでした。ファンドを組成しているのではないんですよね?
小野(リゾルト):はい。いわゆる「プリンシパル投資」または「自己勘定投資」と呼ばれる手法で投資しています。
ファンドには法律上の運用期間や投資期間の制限があり、「投資先企業に寄り添った投資ができないのではないか」とも感じていたんです。
それで、しがらみのない形で支援するにはどうすればいいかを考えた結果、自分たちのお金を拠出して株を譲り受ける自己勘定投資という手法を選びました。
手塚(公認会計士ナビ):投資サイズなどの基準は設けていますか?
小野(リゾルト):いわゆるマイクロスモールキャップと呼ばれる規模ですね。主に売上高で数億円、EBITDAで5,000万〜1億円程度の企業への投資を検討しています。
なぜかというと、自己勘定なのでそもそも大規模な案件は資金的に難しいという事情もありますが、現在のM&A市場においては、中小企業の事業承継の担い手が少ないと感じているからです。
そこに我々がリスクマネーを提供し、事業承継問題を解決していきたいと考えています。
手塚(公認会計士ナビ):新しいファームが初期段階から投資を行うのはリスクもありますし、躊躇する方も多いと思います。
小野(リゾルト):これはあくまで個人的な「裏ミッション」ですが、会計士の働き方を変えたい・多様化させたいと考えているんです。
私自身もそうでしたが、会計士はどうしても労働集約的に頑張りすぎてしまい、激務になりがちですよね。労働集約的なスタイルから資本集約的なものへ変えていく一手段として、投資を通じたレバレッジは有効だと考えています。

PEファンドで得たふたつのこと、「広さ」と「高さ」
手塚(公認会計士ナビ):アドバイザリーファームから独立する会計士は多いですが、独立前にPEファンドにいたという経歴は非常に珍しいですよね。ファンドで具体的に、どのような業務を行っていたか、教えてください。
小野(リゾルト):案件を発掘するソーシング、探してきた案件を検討してクロージングするエグゼキューション、投資後の経営支援、そして数年後に売却するエグジットというすべてのプロセスを経験しました。ファンドによっては役割分担するケースもありますが、私は一気通貫で担当しています。
手塚(公認会計士ナビ):ファンドは「投資してバリューアップして売却する」という仕事ですよね。アドバイザリーとも、もちろん会計監査とも異なる仕事に戸惑いはありませんでしたか?
小野(リゾルト):正直、最初は非常にきつかったです。M&Aの「え」の字も知らない状態で監査法人から転職したので、1年くらいは本当に苦戦しました。
特に苦労したのは、視点の切り替えです。監査法人にいると、どうしても「リスクアプローチ」で保守的に会社を見てしまいがちですが、PEファンドは究極的には「どうリターンを出すか」という観点で会社を見ます。ファンドに先に入った会計士や、卒業した先輩方に相談しながら、なんとか対応していました。
手塚(公認会計士ナビ):中にはIPOまで辿り着いた案件もあったそうですね。
小野(リゾルト):はい。自分が投資委員会に上申した案件が最終的にIPOでエグジットできた際は本当に嬉しかったです。一連の企業成長プロセスに関われるのは非常に楽しい経験でした。
手塚(公認会計士ナビ):その経験は独立後、活かされていますか?
小野(リゾルト):大きくふたつの面で活きています。
まずは「業務の広さ」。監査法人時代にメインに扱っていたのは会計監査でしたが、ファンドでは企業価値向上のために人事、営業、財務、M&Aなど幅広いテーマを取り扱う必要がありました。様々な専門家と連携するネットワークができた影響も大きいですね。

小野(リゾルト):もうひとつは「高さ」です。これには「レベルの高さ」と「視座の高さ」があります。戦略コンサルや投資銀行出身者に揉まれながらスピード感をもって働いた経験は大きな財産になっていますし、何より「株主・経営者の視座」で会社をどうすれば良くできるかを考える習慣がついたことは、今にも大きく活きています。
手塚(公認会計士ナビ):「ファンド目線」は顧客にも響いているのではないですか?
小野(リゾルト):そうですね。企業の課題は会計だけではないので、「会計以外はできません」と断るのではなく、幅広く培った経験から「なんとかなる」と思って、経営者や株主と同じ目線で話ができるのは、私の大きな強みとなっています。
例えばあるメーカーの案件では、事業別・取引先別の損益を把握していなかったので、その可視化を支援しました。そこから「この取引先は粗利が低いので値上げ交渉をしましょう」と提案し、私が前面に立って交渉を行い、10%の値上げを実現しています。
このように「取り組めば結果を出せる」という自信をもって行動できるようになったのは良かったですね。
手塚(公認会計士ナビ):会計には正解があるものの、経営には答えのない意思決定が求められます。ファンドで経営に参画し、トレーニングを積んできたからこそ、一歩踏み込んだ支援ができるのですね。
PEファンドが好む会計士像とは?
手塚(公認会計士ナビ):今後のキャリアを考えている会計士に向けて、PEファンドで好まれる会計士像を教えてください。
小野(リゾルト):最終的には当事者意識をもって、会社をリードできる推進力が重要になってきます。こういった方は多くないので、もし推進力のある会計士であれば、重宝されるはずです。
特に中小企業支援においては不可欠な要素なので、意識するといいのではないでしょうか。
手塚(公認会計士ナビ):「先生」や「アドバイザー」として一歩引くのではなく、現場に踏み込むということですね。
小野(リゾルト):そうですね。教科書的な正論を言うよりも、どう落とし所を見つけ、結果を作るかが大事です。これは能力の差というより、どれだけオーナーシップをもって思い切ってやれるかというマインドの問題でしょう。

手塚(公認会計士ナビ):最後に、会場の若手会計士にメッセージをお願いします。
小野(リゾルト):20~30代前半の会計士は、改めて「自分のやりたいことや、なりたい姿」を自問自答すると良いと思います。
私は監査法人4年目でインチャージを任され、経営者と議論する機会に恵まれました。そこで経営者の悩みは非常に幅広く、会計の課題はその一部でしかないことを痛感しています。
当時の私は会計監査しか知らず、経営者の悩みに寄り添うことも、解決策を出すこともできず、ただただ聞くことしかできなくて、本当に悔しかったんです。
同時に、会計士を目指した理由が「経営者の右腕」になりたかったからだと思い出しました。今のままでは理想に届かない。そう考えて海外へ行き、PEファンドを経て今に至ります。
ぜひ、自分が何をしたいかを大切にしながら、キャリアを築いてください。
自社の宣伝にはなりますが、リゾルトパートナーズは経営者の右腕となり課題を解決したい方にとって、非常に良い成長環境だと思います。興味をもっていただけた方はぜひお声がけください。
手塚(公認会計士ナビ):小野さん、本日は貴重なお話をありがとうございました。
小野(リゾルト):ありがとうございました。

【リゾルトパートナーズ 小野さんも参加!】第17回 公認会計士ナビonLive!! 開催!
第17回 公認会計士ナビonLive!!の開催が決定!
「プロフェッショナルとしての立ち位置」をテーマに、「独立×社外CFO」「CFO・コーポレート責任者」「投資家・株主(ベンチャーキャピタル)」「コーポレートガバナンス系役員」といった分野にフォーカスをして公認会計士の方々にお話を伺い、みなさんとの交流の機会をお届けする予定です。本記事に登場したリゾルトパートナーズの小野さんもゲストとして参加予定です!みなさまのご参加お待ちしております!

























