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去る2025年10月3日(金)、株式会社マネーフォワードによる「士業サミット2025」が開催されました。
AIをはじめとしたテクノロジーが急速に普及し、企業や会計事務所を取り巻く環境は日々大きく変化し続けていますが、士業サミット2025では、士業の皆様が交流できる場であると同時に、AI活用やDX支援の事例、組織運営など時代に即したテーマのコンテンツが公開され、新たな気づきが得られるイベントとして税理士を中心とした多くの士業の皆様が集まりました。
今回は、士業サミット2025の中からパネルディスカッション「AIを実務で使いこなす~最新事例に学ぶAI時代の会計事務所の在り方~」をレポートいたします。
現在、多くの会計事務所の皆様の関心を集めているAI。今回のパネルディスカッションでは、会計実務家でAIを業務の中核に組み込んでフル活用している方々に、現在の活用方法、今後どのような活用が考えられるのかを実務ベースでお話しいただきました。
まったく異なる経営理念を持つふたつの会計事務所と、事業会社の経理部という三者三様の立場から、経営に資する活用術やAIに対する共通認識が次々と紹介された、見応えのあるセッションの様子をお届けいたします。
※本記事の登壇者の肩書・経歴等はイベント登壇時のものになります。
※本記事の内容は公認会計士ナビにてセッションでの発言内容に編集を加えたものとなります。
本記事の目次
- 証憑をアップロードするだけで仕訳完了、2年間で6,000回の業務改善-新世代会計士による衝撃のAI活用
- AIに期待する“付加価値”を若手会計士たちはどう考えているのか?
- AIでこんなことができるかも!?「楽しんで使うこと」が大切
パネリスト紹介
パネリスト
株式会社SoVa
代表取締役/公認会計士 山本 健太郎
2014年、慶應義塾商学部在学中に公認会計士試験合格。専門学校講師、スタートアップのCFOを経て
2019年に株式会社SoVaを設立。「会計事務所とテクノロジーをかけ合わせることで、良いサービスを多くの人に届ける」ことを目標に、AIなどのテクノロジーと専門家の知見を組み合わせた、新しい形の会計事務所を展開。質の高い専門サービスを多くの企業に向けてリーズナブルに提供する、“会計事務所版ユニクロ”を目指し、徹底した業務の仕組み化を推進。2年間で約800社の顧問先を獲得、従業員1人あたりの担当顧問先数100社を目指すなど、これまでの常識を覆す事務所経営にも注目が集まっている。
株式会社SoLabo 取締役COO
税理士法人SoLabo 代表社員
公認会計士・税理士 手島 春樹
太陽有限責任監査法人にて、小売業、製造業、建設業、美容業、IT系及び音楽業界等幅広い業界の会計監査に従事。顧客の東証グロース市場への新規上場や、不正案件対応を経験。
2023年に創業支援や資金調達、マーケティング支援等を手掛ける株式会社SoLaboに入社。SEOコンサルタント等を経て2024年同社取締役COOに就任。2025年に税理士法人SoLaboを設立。Web集客のみで月間約1,200件の問い合わせを獲得するなど、デジタル領域、財務データの利活用に強い税理士として注目されている。
株式会社マネーフォワード
執行役員 グループCAO
松岡 俊
1998年ソニー株式会社入社。各種会計業務に従事し、決算早期化、基幹システム、新会計基準対応PJ等に関わる。2019年株式会社マネーフォワードに参画。「マネーフォワード クラウド」を活用した「月次決算早期化プロジェクト」の立ち上げや、コロナ禍の「完全リモートワークでの決算」など、各種業務改善を実行。中小企業診断士、税理士、ITストラテジスト及び公認会計士試験(2020年に登録)に合格。
モデレーター
株式会社マネーフォワード
SMB事業推進本部MFCサクセス部
副部長 森田 隆
証憑をアップロードするだけで仕訳完了、2年間で6,000回の業務改善-新世代会計士による衝撃のAI活用
仕訳の自動化、業務プロセスの改善…会計事務所のAI活用実例
最初のテーマ「月次決算、AIでどう変わる?」では、会計事務所の中心業務のひとつである月次決算で、現在どのようにAIを活用しているのかの事例が示されました。
セッションでは、冒頭からSoLaboの手島氏によって「証憑をGoogleDriveにアップロードすると、マネーフォワード クラウド会計上での仕訳までが自動で完了する」というデモが実演され、会場に衝撃を与えました。
森田(マネーフォワード):会計事務所の中心業務のひとつである月次決算には、資料回収から試算表の作成に至るまで、様々な作業があります。月次決算の作業について、どのようにAIを活用しているのか教えてください。
手島(SoLabo):弊社では、Google WorkspaceとAIを活用して記帳実務の自動化に取り組んでいます。
まず、専用画面から証憑類をアップロードすると銀行明細、支払請求書、売上請求書、領収書などを自動読込・フォルダ分類が行われます。PDFからテキストを抽出してフォルダに分類するような、仕訳前の振り分け作業にAI(Gemini)を活用しています。

証憑のアップロードから証憑種別を判断してフォルダへの分類、データを明細としてマネーフォワード クラウド会計に連動する一連の作業を自動化しています。

後はマネーフォワード クラウドの自動仕訳ルールに従って仕訳登録されるので、証憑をアップロードした時点で仕訳まで完了する仕組みを、Google WorkspaceとGemini、マネーフォワード クラウドを使って実現しています。
クラウド会計のメリットは、クラウド上にあるデータがAPIを通じてシームレスに連携する点です。
システム外で取引明細を作成し、API経由でクラウド会計に取込を行えば、任意の自動登録ルールを使って仕訳化まで行うことが可能です。
反面、最近よく見かける外部ツール上で仕訳まで作成するタイプのAI-OCRツールでは、クラウド会計の良さを最大限に活かせない。
であるならば、明細の形に落とせるOCRがあればクラウド会計に一番最適化できるのではないか、と考えて開発しました。
また、SoVaの山本氏からは、会計業務を数十の工程に分解し、そこをひたすら改善し効率化につなげていく取り組みが語られました。
山本(Sova):弊社の場合、まず優秀な税理士の会計業務フローを徹底的に分析しました。結果として、試算表ができるまでに16工程、詳細に分けると40工程があることがわかりました。
この各工程をさらに細分化して、人ではなくAIやGAS(Google Apps Script)、RPAなどに置き換えられる作業がないかを検証し、細分化したオペレーションを再結合してみるといった切り貼り作業のようなことを繰り返してきました。

このオペレーション改善は会計の現場チームはもちろん、会計に税務を加えた改善、さらに労務を加えた改善、CSやセールスを加味した改善、最終的には経営陣を含めた改善などに広がり、2年間でトータル6,000回以上行いました。
AIの“強み”を生かす業務とは何か?RPAとの使い分け
松岡(マネーフォワード・CAO):手島さん、山本さんのお話を伺っていて、業務効率化の全ての工程にAIを使おうとしないところが共通点だと思いました。
AIが得意な業務、RPAが得意な業務、人間が得意な業務を切り分けながら、全体として業務を効率的に行う仕組みづくりをされているように思います。では、AIが得意なところとはどういう点だと思いますか?
手島(SoLabo):AIはPDFから転記したり、テキスト化するといった作業は圧倒的に人間より優れているし精度も高いと思います。反面、AIは答えにブレがあり、考える余白のようなものがあるのが特徴です。
山本(Sova): 例えば、会社によってレイアウトが異なる請求書や領収書のように、どこに何が書いてあるのか一義的な構造化がされていないようなデータの場合、RPAやGASでは判断できないけれど、AIならば必要なデータを拾ってくることができる柔軟性があります。
一方で、整然としたデータを100%正しく処理をする必要がある場合は、答えのブレるAIではなく、ロボットのように処理してくれるRPAやGASのほうが適しているように思います。
松岡(マネーフォワード・CAO):RPAやGASは言われたことしかできないロボットのようなもの、というのは弱みに見えるけれど、逆に言うとそれは強みでもある。会計はルールベースだから、最終的に答えはひとつに絞られるけれど、そのひとつの答えにたどり着くまでに避けて通れない、判断の余地のある作業をAIで前捌きする、という考え方になりますね。
森田(マネーフォワード):松岡さん、マネーフォワードではどのようにAIを活用していますか?
松岡(マネーフォワード・CAO):会計事務所と企業経理って似て非なるものですが、AIを業務に活用する基本的な考え方は同じです。一番大変なのは、仕訳を切る前段階の、Slack上のやり取りや契約書上の大量の文言など全く構造化されていない情報の洪水みたいなところから、情報を整理、構造化する作業です。AIの使いどころもそこかな、と思っています。
仕訳入力に関しては、既存のテクノロジーとAIをいかに組み合わせるか、というところがポイントだと改めて感じました。
資料回収はAIの業務ではない!決め手は“人情”?!
資料回収は、会計事務所も事業会社の経理担当も頭を抱えるポイントではないでしょうか。
大変に手間のかかる資料回収に、先進的な取組をしている事務所ならばAIを活用しているのでは?!と思いきや、資料回収は「結局、人でないとできない」という話題で盛り上がりました。その真意とは…?
森田(マネーフォワード):月次決算業務で仕訳についてはかなり自動化も可能なことがわかりました。では月次決算の最初の段階である「資料の回収」について、どのような工夫をされていますか?

手島(SoLabo):弊社はお客様と関係値を作って、“人情”で回収しています。
例えば、chat botから「この資料を今日中に提出してください」と言われても、ついつい後回しにしてしまいがちではないでしょうか。逆に、毎月訪問して懇意にしている担当者から悲愴な様子で「この資料がないと決算が締められないんです!何とか今日中に!」と言われたら、頑張ってその日のうちに提出しよう、という気になりますよね。
紙の資料をまとめて送るとか、データを格納するという作業は人しかできませんが、かなり手間がかかるのも事実です。手間のかかることは後回しにしたい、というのが人情ですから、その人情に魂で語りかける!というスタンスで回収しています。
山本(Sova):2年間の業務改善で一番の誤算だったところが、まさに資料回収でした。「こういった資料をこのように提出してください」ということをプロダクト経由でお願いしていたのですが、どんなにわかりやすく説明したつもりでも資料が集まらない。あまりにも資料回収に手間取ったので手島君に相談したら“人情”と言われまして。
当時、当社では電話を禁止していて、Slackやプロダクト経由以外のコミュニケーションはとらないという先進的なイメージを前面に押し出していましたが、電話を解禁しました。
お客様に電話をしたとたんに、今までが嘘のように資料が集まりだしたのには驚きました。資料回収はAIの仕事ではないことを実感しています(笑)
松岡(マネーフォワード・CAO):弊社は第4営業日に月次決算を閉めますが、そのためには請求書が必要になります。でも、担当者によっては請求書の承認が遅れがちな人もいます。このパネルディスカッションの後、早く承認してほしい、と言いに行くつもりです(笑)
資料の回収は会計事務所でも企業経理でも共通の悩みと言えそうですね。
AIに期待する“付加価値”を若手会計士たちどう考えているのか?
時間を作るためのAI活用
第二のテーマ「効率化の先へ、AIで事務所は何を提供できる?」では、AIの導入によって、業務効率化が実現した次の段階として、効率化した時間をいかに付加価値業務に向けるか、という議論が交わされました。
森田(マネーフォワード):最近、会計事務所の付加価値業務に注目が集まっています。業務効率化を進めた先に、顧問先様にどのような価値を提供するのか。これをテーマにしたプロダクトもたくさんリリースされています。AIを活用することによって、会計事務所はどのような価値をお客様に提供できるのか、お話しを伺えればと思います。
山本(Sova):例えば「人間は1時間で80点のモノを作れる」という基準値があった時、AIの使い方は大きく2通りあります。ひとつは「5分で80点のモノを作る」という使い方、もうひとつは「1時間で95点のモノを作る」という使い方です。
弊社は「5分で80点のモノを作る」というスタイルがベースになっています。AIの付加価値業務への活用という点で言うと、弊社では主に「効率化」という観点で取り組んでいます。
付加価値業務のひとつに、試算表のレビューがあります。弊社では、試算表レビューを細分化し、試算表レビューの効率化・標準化を目指しています。
例えば、一番レビューの上手い職員のレビューを分析したところ、324項目あることがわかりました。これらの項目のうち、216項目のチェックはAIを使った自動化に成功、レビューのスピード化が実現しています。
属人的なスキルを分析し、標準化していくこと、標準化の際にAIなどのテクノロジーを活用するのは、弊社の企業文化として根付いています。
また、これまではお客様にお話しする時に経営指標など“数字”の話が中心になりがちでしたが、AIを活用することによって、もっと国語的になっていくのではないか、という点に興味があります。
お客様から「なんとなく売り上げを増やしたい」「いい感じにコストを減らしたい」といった、ざっくりした希望をChat GPTのようなAIと対話することで「こういう感じに減らせますよ」のように、伝わりやすい国語的表現にしていけるのではないか、という可能性を感じています。

手島(SoLabo):弊社の付加価値に関する考え方は、完全に標準化するのではなく、属人化の余地を許容しています。その中でAIは、人間が思考する時間を限りなく減らすためのツールという役割を担い、最終的な判断は人間が下すのが良いと考えています。
AIが答えを出すには、大きくふたつの情報が必要になります。ひとつは、直接的な指示文であるプロンプト、もうひとつが背景情報であるコンテキストです。
背景情報とは、例えば経営者や従業員の属性や性格、社風、会社や店舗の立地といったイメージのもので、人間の頭には自然と入っています。でもAIに人間の頭脳と同等の網羅的なコンテキストと正しいプロンプトを入れたうえで回答を出させることはほぼ不可能です。
むしろ、AIには最終的な提案ではなく、いくつかの選択肢を出す役割を担ってもらいたい。ナレッジの積み上げシートのようなものを利用して、6-7割程度のコンテキストを入れた状態で、ある種のブレを許容した選択肢をいくつかアウトプットする役割です。人間は、その選択肢を検証・検討し、提案の形に組み立ててジャッジすることで、選択肢を絞り出す時間をぎゅっと縮めて、提案を組み立てる作業に集中する取り組みを進めています。
森田(マネーフォワード):松岡さんは、会計事務所からアドバイスを貰う立場としていかがですか。
松岡(マネーフォワード・CAO):私個人としては、例えば「こういうアクションを取ったときに税務上どうなるのか」といった質問に対していかに早く、正確に、かつどんな担当者でもきちんと答えが返ってくるということが、顧客満足度を左右する最も重要な要素だと思っています。
顧問先からの質疑に対していかに早く、正確なレスポンスをするかという点について、お考えはありますか?
手島(SoLabo):早く、正確な答えを出すということは、まさに弊社が目指しているところです。
AIから選択肢が示されることで、人間がその選択肢に至るまでの思考プロセスをぎゅっと短縮できます。できるだけ早くAIが選択肢をアウトプットして、人間がその選択肢を検証・検討し、お客様に提供する形に組み立てるための時間を増やすことに注力しています。
山本(Sova):お客様の質疑に対する応答について、弊社では「1時間以内に解決し返信する。できれば5分の神速を。」という目標を、まずは立ててみました。
次の段階として、それを実現させるにはAIの力が必要かと思います。例えばAIに仮作文を作らせてみて人間が最終的に判断する、といった形などを検討しているところです。
AIが得意なのは、いわゆる財務分析ではなく“非財務情報の分析”
会計事務所の「付加価値業務」というと財務分析やレポーティングをイメージされる方も多い中、この点に触れてこなかった今回のパネリスト。その点に関するパネリストたちの考えについても質問が投げかけられました。
森田(マネーフォワード):付加価値業務とAI、というと、財務分析やレポーティングにAIを活用する、というイメージをお持ちの方も多いかと思いますが、今日は山本さんも手島さんも、そのことには触れていらっしゃいませんね。

手島(SoLabo):流動比率や固定資産比率のような、一般的な財務分析の数字そのものよりも、なぜその数字になったのか、という点が重要だと思っています。
飲食店のエアレジの売上データを例に挙げると、日時でサマリーされた売上高の数字そのものには、さほど意味はなく、サマリーされた数字の1歩手前、例えば「何月何日/天気:晴れ/周りの飲食店が休みだった日に枝豆がめちゃくちゃ売れた」といった情報に意味がある。
仕訳データやそれを基に計算された財務データはある意味、サマリーされた数字ですから、そこにAIの分析をぶつけるのではなく、その1歩2歩手前のビッグデータに対してAIの分析をぶつけるほうが正しいアプローチではないかと考えています。
弊社では、お客様との関係値を築きながら、仕訳には表れないデータ、いわゆる非財務情報をいかにしていただくか、そのデータをどのようにAIに分析させるか、というところにチャレンジしているところです。
山本(Sova):財務レポートについては、マネーフォワードさんの予実管理システム“Manageboard”をはじめ、現状でいいプロダクトがたくさんありますので、こうしたツールを使っていけばいいと考えています。
ただ、先ほどの手島さんの話はとても面白いので明日からやります(笑)
AIによって、今までのテクノロジーの前提や社会の前提で出来上がってきたサービスのルールが変わってきたので、ゼロベースで面白いものを考えるのが楽しい世の中になったことを実感しますね。
松岡(マネーフォワード・CAO):会計データは、様々なトランザクションを“仕訳”という形に、ある意味抽象化して導き出したものだと思います。だから、流動比率や固定資産比率などの一般的な財務分析は大まかな傾向としてとらえることは可能です。
ただ、もっと踏み込んだ分析には、仕訳の前段階の非財務情報が重要になりますし、その分析はAIの得意分野ではないかと思います。
AIでこんなことができるかも!?「楽しんで使うこと」が大切
最後のテーマ「AIと未来について」では、未来のAIの形として「マネーフォワード AIビジョン」が示されました。
森田(マネーフォワード):AIが今後、どんな形になっていくのか。松岡さんから、マネーフォワードで考えているところも含めてお話しいただきたい。
松岡(マネーフォワード・CAO):最近、私がトライして面白かったのが、稟議情報を仕訳にリンクさせてAIに分析させたところ、一気にクオリティが上がった、ということです。
仕訳情報だけをAIに分析させてもいい分析結果が出なかったので、やはり仕訳に至るまでの様々なデータがないと、AIのアウトプットの質は上がらないというのが実感です。
山本さん、手島さんは、高いテクニカルスキルを活かして実現されていることが多いかと思いますが、そうしたスキルがない方でもできる世界観ということで、マネーフォワードAIビジョンというものを発表させていただきました。
これは、AIが判断するのに必要な情報、マネーフォワード クラウドはもちろん、基幹システムや他社SaaSのような業務データ、コミュニケーションデータ、表計算、文書作成、スライドなどのあらゆるデータをData Martにどんどん格納して、この上でAIエージェントが動く、といった構想で開発しています。
まだ開発中ではありますが、実際にリリースされれば、今日山本さん、手島さんが話されていたような世界観がより身近に実現できるようになると期待しています。

手島(SoLabo):こうしたデータが身近にあれば、様々な情報にAIをぶつけることで、先ほどの飲食店の“枝豆が売れる日”の例ではありませんが、より多角的な分析ができますね。例えば、雨の日は肉系の売上が芳しくないから肉の仕入れを減らそうとか、今まで経営者の感覚で動いていたことも分析できたら面白くなりそうです。
森田(マネーフォワード):最後に、今日ご参加いただいた皆様にメッセージをお願いします。

松岡(マネーフォワード・CAO):今日、対照的な運営スタイルの2社からお話しいただきましたが、そのスタイルによってAIの使い方、活かし方にも違いがあるように思いました。
ご参加の皆様の事務所のスタイルによって、どういうスタイルが合うのか、ヒントがあったのではないかと思いますので、今後の運営で活かしていただけたら嬉しいですね。
手島(SoLabo): AIは今後も進化し続けてできることが増えていくので、まず、やりたいことをイメージして、後は自由に使ってトライ&エラーを繰り返していくのが良いと思います。あまり根詰め過ぎずに楽しく使っていただけたら、皆様の業務ももっと発展するかなと思っています。
山本(Sova):AIは手段であって目的ではありません。今日ご参加いただいた皆様も、AIの話は聞いておかないといけないのではないか、という危機感でお越しになった方もいらっしゃるかと思いますが、できることが増えそうだな、ワクワクするな、という気持ちを持ち帰っていただけたら嬉しいです。
お客様のためにこんなサービスができたらいいな、職員の方のためにこんなことがしたいな、こんな事務所にしたいな、という目標の部分はAIでは答えが出せませんので、ぜひ皆さんに考えていただいて、それを叶える方法はAIやマネーフォワードのプロダクトなど、いい方法はたくさんある。「楽しそうな時代が来た」から楽しみたいですね。



























