2018年4月24日から4月27日にかけて、監査法人や公認会計士に関する複数のニュースがリリースされています。
12月期決算企業の監査報酬5%増加、徳島にIターンした元・公認会計士の体験談、『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』著者のFX投資の失敗談など、幅広く記事をご紹介します。
12月期決算企業の監査報酬5%増。今後も増加傾向に
- 監査報酬の支払い5%増 12月期決算の主要50社(日本経済新聞 2018年4月24日付)
タイムチャージは監査報酬の基本ですが、業務量の増加に伴い監査報酬が増加傾向にあるようです。
今回、海外M&AやIFRSへの移行などが原因で監査報酬の支払いが5%増加したという記事が、日本経済新聞よりリリースされています。
12月期決算の主要な上場企業50社が2017年度に監査法人に支払った監査報酬は前の期に比べて5%増えた。M&A(合併・買収)や海外子会社の増加が背景にあるようだ。
引用元:監査報酬の支払い5%増 12月期決算の主要50社(日本経済新聞 2018年4月24日付)
記事によると、IFRSへの移行で監査業務が複雑化して監査業務にかかる報酬額が増額しており、また会計処理の助言業務などの非監査業務の支払額も増加しているそうです。
米国と比較して低いといわれている日本の監査報酬ですが、監査報酬が増加すれば今までより監査時間が確保できます。これからも監査報酬の増加傾向が続きそうだということで、監査品質の向上につながるのではないかと期待されるところです。
徳島にIターンした元会計士の今
- 徳島にIターンした元会計士 専門能力を企業でいかす(NIKKEI STYLE 2018年4月27日付)
以前、公認会計士と税理士の勤務地について公認会計士ナビの記事で調査したところ、税理士は3割が東京会、1割が近畿会に所属している一方で、公認会計士は6割が東京会、1割が近畿会に所属していました。この結果からもわかるように、公認会計士は首都圏集中型の就業傾向にあります。
公認会計士が監査をする上場企業の数が少ない、年収がダウンするなどの理由で、都市圏の公認会計士が積極的には選ばないと考えられる地方勤務ですが、あえて地方を選ぶ公認会計士も出てきました。
地縁も血縁もない徳島にIターンした公認会計士が徳島で活躍しているという記事が、NIKKEI STYLEよりリリースされています。
大手監査法人で活躍していた公認会計士の矢野琢磨さん(41)は、徳島市でブライダル関連・バンケット事業などを手掛ける老舗企業ときわに新天地を求めた。東京から全く地縁のない徳島への「Iターン」だったが、「自然豊かで新鮮な食事にも恵まれた」。
引用元:徳島にIターンした元会計士 専門能力を企業でいかす(NIKKEI STYLE 2018年4月27日付)
記事によると、監査法人在籍時に徳島県のベンチャー企業に出向したのをきっかけに、徳島の土地柄の良さに惹かれて移住を決意したのだそうです。
そして地方は公認会計士の仕事がないと思われがちですが、矢野さんは「そんなことはない」と話しています。矢野さんの話からは地方で働くことの魅力が伝わってきます。(なお、記事タイトルでは「“元”会計士」と表記されていますが、記事内では公認会計士登録を抹消したといった内容は記載されていません。)
ワークライフバランスが重視される時代、家族との時間が大切にできる地方へのIターンも、転職の選択肢の一つかもしれません。
『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』著者がFX投資の失敗談を語る
- 『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』著者はFXで5000万円ふっ飛ばした(Smart FLASH 2018年4月25日付)
『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』や『女子大生会計士の事件簿』で一躍有名になった公認会計士の山田真哉氏。書籍の印税だけでなくメディアへの出演や講演も増えて、「さぞかし儲かっているのでは?」と思う方も多いのではないでしょうか。
山田氏のその後について、Smart FLASHが記事をリリースしています。
「当初は調子がよくて、1日5万円の利息が入ってきました。しかしサブプライムローン問題で暗転。レバレッジで元手以上の金を扱っていたため、印税の5000万円全額を消滅させてしまいました」
引用元:『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』著者はFXで5000万円ふっ飛ばした(Smart FLASH 2018年4月25日付)
記事によると、『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』の印税5,000万円はFXで全額消滅させてしまい、最近では、コインチェックで仮想通貨を購入してコインチェック事件の被害にあってしまったそうです。
FX投資に、コインチェックでの失敗談。これを糧にまた新たなベストセラーが生まれるのでしょうか。
(著者:大津留ぐみ / 大津留ぐみの記事一覧)