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内部監査業界は、テクノロジーの発展、次々と変わる規制、ステークホルダーからの高まる期待によって、めまぐるしく変化しています。2025年がスタートした今こそ、今年のトレンドを先読みし、変化に対応するチャンスです。
この記事では、内部監査にこれから大きな影響を与えうる注目のトレンドを5つ紹介します。これらを押さえておけば、来る新しいリスクにも動揺せず対応できるはずです。
ESG
環境（Environmental）、社会（Social）、ガバナンス（Governance）の英単語の頭文字をとったESGは、ますます企業にとって外せない課題となっていくでしょう。投資家や従業員、クライアント、規制当局から、社会や環境への影響を考慮することを求められる今、気候変動への対応や社会的不平等の解消、倫理的なリーダーシップの促進など、「より良い未来を作るために行動する企業であること」が当たり前になりつつあります。
- 内部監査にできること
EUのCSRDやIFRSが組織したISSB、また、日本のサステナビリティ開示基準の開発を目的とするSSBJの設立など、新しい規制がESG施策に関する透明性の基準を引き上げています。こうした変化の中で、内部監査は企業がこれらの基準を満たし、信頼性を高めるための重要な役割を果たします。ESG施策の開示情報の正確性を検証したり、サステナビリティへの取り組みがどの程度組織運営に取り入れられているかを評価することが挙げられます。また、基準とのギャップを特定し、それを埋めるための具体的な提案をすることで、企業が効果的な結果を生み出せるようサポートします。
テクノロジーとサイバーセキュリティ
テクノロジーの進化が進むほど、サイバーセキュリティの重要性は増します。データ漏洩や業務停止、規制違反による罰金といったリスクが迫る中、アメリカではSEC（証券取引委員会） が、サイバーセキュリティに関する、インシデントやリスク管理等の情報開示に関する新たな規則を採択。EUでも、これまでの規制よりも適用範囲を広げたNIS2が制定されるなど、企業には一層の対応が求められています。
- 内部監査にできること
内部監査は、ITインフラの有効性チェック、サードパーティリスクの監視、リスクに対する従業員の準備状況の確認など、多岐にわたる役割を果たします。また、複雑化するテクノロジー規制への対応をサポートするだけでなく、新しいテクノロジーが倫理的かつ適切に利用されているかを監査します。これにより、法律遵守を確保し、組織の信頼性を高めるとともに、予期せぬリスクを未然に防ぐ支援を行います。
経済・地政学的不安定
経済の不安定さやグローバル規模での政治的混乱、さらには気候変動による影響など、組織が直面するリスクは尽きません。貿易摩擦や政策の変動など、予測不可能な事態に備えるために柔軟に対応できる準備が求められます。
- 内部監査にできること
内部監査チームには、危機管理計画やITの災害復旧システムをしっかり評価することで、組織の不測の事態への備えを整えることが求められます。また、組織の課題を洗い出し、具体的な改善案を提案することで、柔軟性と対応力を高めることも重要です。内部監査の洞察を最大限に活用することで、企業が経済的・地政学的に不安定な状況下でも、より安定した足場を築き、自信を持って複雑な課題に挑むことができるようになることが期待されます。
人材戦略と職場文化改革
いま、社員が求めるのは「やりがいのある仕事」「柔軟な働き方」「自分の価値観との一致」。特に若い世代では、こうした目的志向の働き方が注目されており、成長、多様性、充実感を育む職場を作ることの重要性が浮き彫りになっています。優秀な人材を獲得し、定着率を向上させるには、こうした進化する期待に応える必要があります。
- 内部監査にできること
内部監査は、組織がこうした変化するニーズに適応するため鍵となる存在です。採用プロセスから定着率向上を目指した取り組みまで、人材戦略が従業員の期待にどれだけ合っているかを評価し、課題を明らかにする役割を担っています。また、モチベーション低下や高い離職率、人材不足といったリスクを見極めて、実行可能な解決策を提案することも重要です。従業員の期待に応える職場環境を整えることで、内部監査は活力のある安定したチーム作りを後押しし、組織の持続的な成長を実現します。
絶えず見直される規制
ESG、データプライバシー、サイバーセキュリティ、そしてAI——規制があらゆる方向から飛んでくるように感じるほど、守るべきルールはどんどん増えて、しかも複雑化しています。でも、こうした規制への対応は罰則を避けるだけじゃなく、企業の評判を守り、競争力を維持するためにも欠かせないポイントです。
- 内部監査にできること
内部監査は、企業がこれらの規制に対応するための頼れるパートナーです。現在の規制をきちんとクリアできているかを確認しながら、将来的な変化にも備えられる体制づくりをサポートすることが求められます。また、コンプライアンス遵守施策を日常業務にスムーズに組み込むことで、新しい規制がビジネスの妨げにならないよう支援する役割も担います。複雑な規制環境を企業が自信を持って乗り越えるために、内部監査チームから具体的な洞察や実用的な提案をすることが期待されます。
まとめ
2025年、内部監査の世界はこれまで以上に注目を集める年となりそうです。ESGへの注目度の高まり、急速に進化するテクノロジー、そして厳しさを増す規制など、準備することが盛りだくさん。変化に柔軟に対応し、新しいアイデアを積極的に取り入れることで、監査チームは追随するだけでなくリードする存在になれます。未来を見据えて、内部監査が変化に万全の体制で挑めるよう準備を進めていきましょう。
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引用元：2025年内部監査トレンドトップ5 | DataSnipper（データスニッパー）
