会計業界の勢力図が変わるか!?汐留パートナーズが創業わずか10年で世界15位のネットワーク PKFインターナショナルに加盟できた理由とは?

  • 2018/6/18

汐留パートナーズ_PKF_サムネイル

2018年6月1日、37歳の若手会計士である前川研吾氏が代表を務める汐留パートナーズグループが、創業わずか10年にして、世界第15位にランクインする会計ファームネットワークPKFインターナショナル(以下「PKF」)への加盟を発表しました。

汐留パートナーズ_PKF_ロゴ

みなさんがご存知の通り、世界にはBIG4を始めとした多くの会計ネットワークがありますが、世界ランキング上位のネットワークの日本における加盟ファームは、ある程度固定されており、あまり入れ替わりは見られません。

今回、その常識をくつがえして、新興会計事務所である汐留パートナーズグループがメンバーに選ばれました。

汐留パートナーズがメンバーに選ばれた理由は何だったのか。そしてメンバーになり、今後どのような事業展開を目指していくのか。汐留パートナーズ株式会社代表取締役社長・グループCEOである公認会計士・前川研吾氏にお聞きしました。

汐留PG_CEO・公認会計士(日米)・税理士・行政書士・前川研吾氏

前川研吾

汐留パートナーズグループ グループCEO

公認会計士(日米)・税理士・行政書士

2003年、公認会計士試験合格。新日本有限責任監査法人監査部門で国内監査業務に従事。また同法人公開業務部門でIPOの支援なども行う。2008年に退所・独立し汐留パートナーズグループを立ち上げる。株式公開準備会社を中心として、IPO支援、内部統制支援、海外展開支援、デューデリジェンスや株価算定業務を行う。またグループ会社として、税理士、社会保険労務士、弁護士、司法書士、行政書士などの専門家集団を集め、企業に対するワンストップサービスの提供と海外事業のサポートを行う。1981年生まれ。北海道出身。

1.PKFインターナショナルとは?

PKFインターナショナル_ロゴ

PKFはPwCやKPMGと並ぶグローバルネットワークで、概要は以下の通りです。

  1. デロイト・KPMG・EY・PwC等に次ぐ国際的な会計事務所連合
  2. 世界15位にランクイン
  3. 1969年に発足し、現在では世界150か国440か所以上に活動拠点を構える
  4. 日本では、汐留パートナーズとひびき監査法人が加盟メンバー
  5. 主に各国の10位以内の会計事務所がメンバーとして加盟

PKFに加盟するということは、トーマツらBIG4と同じく、国内上位のプロフェッショナル集団と認められたということを意味します。

汐留パートナーズグループは、設立10年目にしてグループ従業員数150名と規模を拡大している、業界でも注目のプロフェッショナルファームです。 勢いのある若手会計事務所が加盟したことで、会計業界に変化が起きるかもしれません。

2.汐留パートナーズグループがPKFに加盟した理由は?

汐留パートナーズ_ロゴ

クライアントの海外進出が増加すれば、各国の会計事務所と連携して、最先端の現地の情報に基づいた効率的なサポートを提供しなくてはなりません。

汐留パートナーズグループでも香港・シンガポール・ハワイに現地法人を設立していますが、海外進出のサポートはBIG4がほとんど担当しています。前川代表には、近い将来、世界的に有力な会計事務所グループとの連携が必要になるという予感がありました。

「今は日本の景気が上向きですが、長い目で見れば内需は減ってきて、海外で外貨を稼がなければならない時代がやってきます。

アウトバウンドの仕事が増えて、外国の会計事務所と連携しながらクライアントのサポートをしていく時代になるので、その流れに寄り添うためにも、早い段階で国際的な会計ネットワークに加盟する必要があると考えていました。

今までも複数のネットワークから声をかけていただきましたが、なかなか決断できずにいました。今回加盟させていただいた一番の理由は、PKFの理念に共感したからです。

PKFはメンバーファームを“Family(家族)“と考えていますが、弊社も『従業員と家族の幸せを大切にする』という経営理念を掲げています。共に仕事をするメンバーとその家族までを“広義の家族”と考えていて、関わる人を幸せにするという理念が共通していました。

同じような理念を持つPKFだから、メンバーになりたいと思いました。」

汐留パートナーズグループ_エントランス

3.グローバルアカウンティングネットワークへの加盟はこうして行われる

ファーストコンタクトは不思議なつながりがいくつか重なって実現

公認会計士といっても、世界的なアカウンティングネットワークと加盟交渉の経験がある方は、なかなかおられないと思います。具体的にどのように交渉が進められるのか、前川代表に実際の交渉の流れをお聞きしました。

「ファーストコンタクトは、不思議なつながりがいくつか重なって実現しました。

先方が東京で、会計税務・人事労務・会社設立等のビジネスソリューション業務ができるメンバーファームを探していて、弊社の英語のWebサイトを見て興味を持ったこと。すでにPKFに加入していたひびき監査法人のパートナーが私の新日本有限責任監査法人時代の上司だったこと。弊社で働いていた中国人会計士の友人が上海PKFにいたことです。」

東京にも多くの会計ファームがありますが、英語のwebサイトを持ち、クライアントと抵抗なく英語でコミュニケーションできるファームは多くありません。

「先方からぜひ加盟をしてほしいと連絡があり、PKFのアジアパシフィックの責任者の方や、日本の提携ファームであるひびき監査法人の道幸理事長がオフィスに来てくださいました。

さらに、『日本に進出する外資系企業のためのビジネスソリューションの提供を是非お願いしたい』と、PKFのCEOであるJohn Sim氏自らイギリスから弊社まで足を運んでくださいました。

弊社のことを真剣に考えて、わざわざこのためだけに来てくださったと思うと、非常に嬉しかったです。」

PKFが汐留パートナーズグループを選んだ決め手

汐留パートナーズグループが加盟に至った決め手はなんだったのでしょうか。

「実は、弊社以外に候補はないということで、声をかけていただきました。 先方は、100人以上の人員を有する一定規模以上のグループであること、英語と中国などの言語対応ができることを条件と考えていたようで、汐留パートナーズしかいないと考えてくださったようです。

またPKF加盟へ向けて尽力してくださったひびき監査法人の理事長等から、会計税務・人事労務・会社設立・経営管理ビザ取得などの、ビジネスソリューション業務を担当してくれるメンバーとして、弊社に加盟してほしいとありがたいお言葉をいただきました。

交渉のスタート段階から先方がかなり前向きな姿勢で対応してくれていて、実務的な各種条件面に合意すれば加盟が決まる状況でした。」 

あとは汐留パートナーズが合意するだけという状況でした。前川代表に迷いはありませんでした。世界中にネットワークが広がるとともに、アドバイザリーサービスの質も高まり幅も広がると確信し、PKFへの加盟を決意しました。

加盟するための条件

お互いに合意はあったものの、加盟するためには厳しいハードルをクリアしないと加盟できないイメージです。実際はどのような条件が求められるのでしょうか。

  • 品質管理のインスペクション(検査)をクリアすること
  • 紹介されたジョブをしっかりとこなせるだけの体制が整っていること
  • PKFで発行する書籍・ニュースの配信に関して日本部分のパートを担当すること
  • 年2回のカンファレンスへの積極的な参加
  • メンバーファームとの人材交流 など

上記の一部は必須項目で一部が目標項目になっているそうです。対応に苦心されたことはあったのでしょうか?

「加入する以上、取り組まなければならない内容はたくさんあります。

特に加入前に、ヒアリング及びたくさんのクエスチョネアへの対応が必要でした。これはなかなか骨が折れる作業で、いわば私たち汐留パートナーズがデューデリジェンスを受けているようなイメージです。

また、品質管理のインスペクションでは、マニュアルの作成が追いつかず、ぎりぎりまで対応していました。また、英語で書かれた膨大な品質管理チェックリストをつぶしていくのが大変でした。

たとえば、当たり前のことではありますが、新規受託にあたっては2名以上のパートナーの承認が必要だったり、書類の保管体制も厳格に定められたりしています。全くできていないわけではありませんが、細かい論点はたくさんありました。」

ようやくマニュアル作成を完了して、6月1日から無事にPKFに加盟することができました。

加盟前からファミリーの一員。PKFメンバーからの信頼に応えたい

紹介されてから加盟手続きが完了するまで半年以上かかりましたが、その間も、これからPKFネットワークに入る仲間ということで、メンバーの一員のように良くしていただき、一緒に業務を行っていたそうです。

「オーストラリア、ドイツ、香港などの提携ファームと一緒に仕事をさせていただきました。加盟前からクライアントを数社ご紹介していただいて契約もさせてもらい、大変ありがたかったです。

PKFのメンバーは”family”ということで、何かあれば海外からすぐ飛行機に乗って飛んできてくれて、営業や業務にも一緒に入ってくれました。加盟後のイメージが湧いてきて、加盟しても違和感なく進めると確信できました。

皆で世界的なクライアントを確保できたらいいよねと話していて、PKFの絆の深さを実感しました。」

4.世界的なアカウンティングネットワークに加盟すると得られる、幅広いメリット

全世界にネットワークが広がりどこに行っても品質の高いサービスが提供できることや、クライアントの紹介が受けられることなど、加盟に伴うメリットは色々あります。

これ以外にも、比較的歴史が新しい汐留パートナーズだからこそ感じるメリットがあるのだそうです。

「我々はベンチャー企業とともに成長してきたベンチャーのような会計事務所です。会計事務所が上場することは業法的に難しいのですが、国際的な会計ネットワークに入ることで上場に近い信頼を獲得することができますし、達成感もあります。

あと、特に20代から30代の若い会計士の方には、もっと夢をもって仕事をしてもらいたいと思っています。会計士はいろいろな仕事ができます。PKF加盟の信頼できるファームということで、弊社に新しい会計士や税理士の方に入ってきていただいて、一緒に面白いことができるのではないかと期待しています。」

汐留パートナーズグループ役員陣

汐留パートナーズグループの役員陣

5.PKF加盟を通じてさらなるグローバル展開を目指す

海外進出サポートに積極的に取り組んできた汐留パートナーズグループですが、PKFへの加盟を通じてその成長はさらに加速しそうです。汐留パートナーズグループの海外ビジネスへの取り組みは以下の2つです。

  • インバウンド事業(海外から日本に進出してきた外資系クライアントのサポート事業)
  • アウトバウンド事業(日本企業が海外に進出するときのサポート事業)

「インバウンド事業については、東京オリンピック開催決定を契機に日本に会社を設立する企業が増えて、会社設立・ビザ取得をはじめバックオフィス業務全般をサポートさせていただいております。

今までは小規模・中規模のクライアントが多かったのですが、今後は大規模なクライアントが増えることが予想されるので、PKF加盟はインバウンドビジネスの追い風になるものと、ありがたく思っています。

他方のアウトバウンド事業につきましては、今までも現地法人や海外事務所との提携を行って参りましたが、求めるクオリティーを維持することは難しい問題でした。

この点PKFに加盟したことで、150か国どこでも一定以上のクオリティーでサービスが提供できることになり、進出できる国の幅も広がりました。海外進出支援の専門部門を立ちあげたので、これから業績を伸ばしていきたいと思っています」

 

起業からわずか10年でPKFの加盟ファームとなった汐留パートナーズグループは、独立を目指す会計士の方たちの伝説の存在になりそうです。これからも汐留パートナーズグループの成長から目が離せません。

(ライター 大津留ぐみ

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