新日本監査法人から金融庁への業務改善報告が終了、法人名もEY新日本監査法人へ変更…など3件:今月の会計士業界ニュース(2018年2月その1)



2018年1月17日から1月29日にかけて、新日本監査法人、異業種から公認会計士資格取得、仮想通貨などに関する複数のニュースがリリースされています。

金融庁への業務改善報告が終了した新日本監査法人の今後、プロバスケットボールプレイヤー岡田優介氏が会計士資格を取得した理由、仮装通貨の資金調達(ICO)の会計処理を巡る問題に関する記事など幅広くご紹介します。

金融庁への業務改善報告が終了。新日本監査法人の今後

東芝問題で金融庁から行政処分を受けた新日本監査法人。新規業務停止や課徴金など重い処分が下されて、会計士業界に衝撃が走ったことは記憶に新しいですね。さらに新日本は、金融庁に対して業務改善報告を続けていました。

今回は、新日本監査法人の金融庁への報告が終了したことについて、日本経済新聞より記事がリリースされています。

 複数の関係者によると、今月までに新日本と金融庁の間で「(東芝問題後の業務改善策についての)報告は今後不要」とするやり取りがあったという。同庁が一定の評価をしたことで、新日本は自社のホームページで公開していた業務改善の取り組みについても掲載を取りやめた。

引用元:新日本、金融庁への報告終了 東芝問題受け業務改善(日本経済新聞 2018年1月26日付)

記事では、金融庁から業務改善終了のお墨付きを得たものの、新日本監査法人が企業や投資家の信頼を回復するのは容易ではないと指摘しています。新日本は、年内に社名を「EY新日本監査法人」に変更するとのことで、国際会計事務所のメンバーファームというグローバルなイメージを前面に打ち出すようです。

イメージ戦略に一定の効果があるかもしれませんが、新日本監査法人からのクライアント流出に歯止めをかけるためには、時間をかけて監査業務に取り組んでいくほかないのではないでしょうか。

現役プロバスケットボールプレイヤー岡田優介選手が公認会計士資格を取得した理由

Bリーグ京都ハンナリーズ所属で現役プロバスケットボールプレイヤーとして活躍するかたわら、公認会計士試験に合格した岡田優介選手。オールスター戦での活躍ぶりや、会計士試験を受験した経緯などを取材した記事が、YAHOO!ニュースよりリリースされています。

 「こういうふうにBリーグができる前はバスケ界は非常に良くない時代でした。こんなに面白いスポーツなのになんで日本でメジャーになっていないんだという思いが強くあって、自分の中で何かできることがあるんじゃないかと思ったんです。会計士になりたいというよりは、そういった知識とか資格を持つことによって1つの武器になると思ってやってました。」

引用元:3ポイント王者に輝いた岡田優介はなぜ公認会計士資格を取得したのか?(YAHOO!ニュース 2018年1月17日付)

バスケットボールを辞めて、第二の人生のために資格取得したというなら話は分かりやすいのですが。記事によると、岡田選手はセカンドキャリアとして会計士を考えているわけではなく、軸足はバスケに置きながら、バスケに関わることをいろいろやっていきたい思いから、公認会計士試験を受験したそうです。

オールスター戦で3ポイント・コンテストで優勝した活躍中の現役選手が、会計士資格でどのようにバスケットボールを盛り上げ、ビジネスを展開するのか。コート外での今後の活躍にも注目です。

仮想通貨の資金調達に会計基準なし。監査法人苦戦!?

東証マザーズ上場企業のメタップスが、仮想通貨の資金調達(ICO)に関する会計処理を巡り、四半期報告書の提出期限延長を申請しているそうです。この記事が、東洋経済ONLINEよりリリースされています。

*2018年2月12日現在。延長後の提出期限は2月15日。

それによれば、メタップスは2017年9〜11月の四半期報告書の提出期限延長を申請。今回のICOの会計処理について追加的な検討を行うためだ。さらに翌日、同社は資料の一部を訂正。「監査法人との協議の結果」という文言を削除し、協議がまだ終わっていない点を強調した。

引用元:仮想通貨で資金調達、「ICO」に監査法人も困惑(東洋経済ONLINE 2018年1月29日付)

記事では、上場会社傘下のICOはメタップスが世界初で、国際会計基準はもちろん日本基準にも明確な指針がないそうです。

世界初の事例となるメタップス子会社のICO。今後ICOが行われた場合の参考事例になるため、監査法人も慎重な対応を取らざるをえません。会計士協会から指針の提示など、助け船は出されるのでしょうか。

(著者:大津留ぐみ / 大津留ぐみの記事一覧



この記事の著者

→記事一覧

【大津留ぐみ:公認会計士・税理士/会計士・税理士専門ライター】 大学在学時にシェイクスピアを学んだことをきっかけに劇作家を目指すも挫折。編集プロダクションで編集やライティング業務に従事した後、公認会計士試験にチャレンジし合格。大手監査法人の東京事務所にて監査業務、財務デューデリジェンスなどに従事。 その後、フリーランスの公認会計士として非常勤監査、税理士法人の社員税理士として税務業務に従事しつつ、大津留ぐみのペンネームでライターとしての執筆活動にも従事。ライターとして、お金、社会保障、会計、税務などに関する記事を執筆。また、2児の母となったことをきっかけに、子どもの貧困や教育格差、子どものイジメに関する記事なども執筆。現在は、株式会社ワイズアライアンスの専属ライターとして会計・税務の記事を執筆しつつ、会計事務所にて内部統制業務にも従事するパラレルワーカー。公認会計士・税理士。

会計士の転職なら!

公認会計士ナビ_公認会計士専門の転職エージェント

会計士の採用なら!

公認会計士ナビの人材紹介サービス

パートナー企業

公認会計士ナビは以下のオフィシャルパートナー様にサポート頂いております。

【プレミアムパートナー様】


Clifix_logo_330_280


【プラチナパートナー様】


Ohwa_banner_應和監査法人_agn INTERNATIONAL_バナー用


PwCJapan有限責任監査法人


株式会社エッサム


弥生会計


リンクパートナーズ法律事務所


青山綜合会計事務所


管理部門支援のプロフェッショナル集団・Bridgeグループ


令和アカウンティング・ホールディングス



【ゴールドパートナー様】


南青山アドバイザリーグループ


公認会計士によるM&A・IPO支援はスタンドバイシー


TKW M&Aファイナンス会計税務事務所_ロゴ


事業再生・M&Aのプロ集団「J-TAP Group」_ロゴ


会計事務所の強みになるクラウド会計freee


バックオフィスから経営を強くする「マネーフォワード クラウド」

東京共同会計事務所

グローウィン・パートナーズ株式会社

クラウドERPのビーブレイクシステムズ


YKPlanning_logo_1500_500


海外進出支援のCaN International


→パートナー企業一覧


→パートナープラン詳細

  1. 東京共同会計事務所代表・公認会計士・税理士・内山 隆太郎氏サムネイル

    FASのチャンスはどこにあるのか?東京共同会計事務所に見る会計士と…

  2. 辻・本郷税理士法人 税理士・菊池典明氏

    国内最大手の会計事務所が取り組む消費税法改正と人材育成、辻・本…

  3. 弥生_30周年企画_後編_サムネイル画像

    税理士・会計士の仕事や営業、30年前とどう変わった!?2017年と198…

  4. 中小企業向けクラウド会計ソフト『ネットde会計』が目指す“経営を支…

  5. 【平成28年・2016年度】1,147名が合格!修了考査合格発表に関する速…

  6. 【開催報告】会計士にブルーオーシャンはあるのか!?第7回・公認会…

会計士の独立に!PR

■税理士開業塾

税理士会業塾:公認会計士の独立支援

公認会計士ナビの転職エージェント